旦那の金銭感覚がヤバいです 断崖

断崖

旦那さんに猜疑心を持った奥さんがひどい目に遭う話

制作年 1941年
制作国 アメリカ
監督 アルフレッド・ヒッチコック
脚本 サムソン・ラファエルソン/アルマ・レヴィル/ジョーン・ハリソン
原作 フランシス・アイルズ
上映時間 99分
出演
ジョーン・フォンテイン
ケーリー・グラント
セドリック・ハードウィック

だいたいのあらすじ

列車の一等席で移動していたリナ(ジョーン・フォンテイン)の席の向かいに他にも空席があるのにジョニー(ケーリー・グラント)という胡散臭い男が現れます。
彼は事もあろうに三等席の切符しか持っておらず、検札が来たのにお金も持っておらず、リナにお金を出してくれとか言い出し、図々しいことに彼女の切手を奪って代金替わりにしました。
絵に描いたようなクズだと思います。

リナと同じ町に降りた違う女性に囲まれながらジョニーは遠目に彼女を目撃するのですが、リナはこの町の有力者であるマクレイド将軍(セドリック・ハードウィック)の娘であり、彼には高嶺の花でした。
女たらしのジョニーはリナの知り合いであるバーラムを利用してリナに近付き強引に迫ります。
ちょっと婚期を逃した感のあったリナは母マーサ(デイム・メイ・ウィッティ)からあの子なかなか結婚しない的なこと言われており、ジョニーのじらしのテクニック等にやられてしまい、彼に魅かれるようになり、恋の病を患ってしまいました。
極め付けに図々しくもジョニーが呼ばれてもいないパーティーに現れてダンスの後にドライブに誘い、プロポーズしたのでリナはあっさり陥落してしまいました。
しかしマクレイド将軍はジョニーの本性を見抜いており、彼のことを嫌っていたので交際は赦されそうにありません。

そしてリナはジョニーと駆け落ちして新婚旅行に行ってしまい。ジョニーはやたらと豪華な家を借り、エセルというメイドまで雇います。
しかしジョニーは新婚旅行の費用1000ポンドを友人から借りていたと判明し、リナの顔は曇ります。
彼は心配するなと気楽に言うのですが、文無しでリナが貰える遺産を当てにしていることを匂わせます。
彼は仕事もしていなので、リナは「私の収入ではこの生活は無理」と言うのですが、ジョニーはあっさり「また借りればいい」と答えるのでした。
ジョニーは働く気は全く無いようで、かと言ってヒモになる気も無いようです。

流石に結婚という既成事実を作られてはマクレイドも認める訳には行かず、贈り物を送ることにしたと聞き、ジョニーは大喜びでした。
しかし実家から送られて来たのは先祖代々の家宝の椅子で、リナは大喜びするのですが、ジョニーは渋い顔をしていました。
マクレイドに電話で仕事の事を聞かれたジョニーは不動産管理の仕事をしていると笑顔で嘘を吐くのですが、「本当か?」と問うリナに彼は手紙を見せて本当だと答えました。
ジョニー謎が多いです。

ある日、ジョニーの友人だというビーキー(ナイジェル・ブルース)という男がリナの家を訪ねて来ました。
彼はジョニーがレースでノミ屋に借金をしていることを告げ口するのですが、確かに大事にしている椅子が無くなっていました。
ジョニーが戻って来るのですが、椅子は従弟の知り合いに100ドルで売ったとさらりと言いました。
非道過ぎると思います。
ビーキーは小切手を見せろとジョニーに突っ込み、リナは「夫は嘘を吐かない」と庇いました。

後日、リナは椅子が骨董屋で売られれているのを目撃し、帰宅してからビーキーに「あなたの言う通りだった」と謝るのですが、そこにジョニーが毛皮のコートやネックレス等のプレゼントの箱を沢山抱えて帰宅しました。
彼は悪びれずに椅子を売ったお金で競馬をして10倍になったと嬉しそうに話し、顔を曇らせたリナをくすぐって笑わせようとするのですが、椅子は
買い戻してくれていたので、リナの機嫌も直りました。
頼むから仕事しろよ。
ビーキーは酒を呑んで、むせて死にそうになるのですが、ジョニーは冷たい顔で「死ぬか自然に治るかだ」と言い放つのでした。
またジョニーは最近、推理小説を愛読しており、リナが書店で買い求めた帰りにに近所の婦人から「旦那さんを競馬場で見たわよ」と言われてしまいました。

リナはジョニーの勤務先だという彼の従弟メルベック(レオ・G・キャロル)の事務所を訪ねるのですが、ジョニーはお金を2000ポンドも持ち逃げして6週間前にクビになっていました。
メルベックはジョニーは従弟なので起訴は見合わせ、返済を待つということで、リナにも優しく接してくれました。
帰宅したリナは別れの手紙をしたためるのですが、結局は破り捨ててしまいました。
夫は信用できず、別れられずと不安定な彼女の前にジョニーが帰宅し、マクレイドが心臓病で亡くなったという電報を渡しました。
悲惨すぎる怒涛の展開でリナ詰んでます。

マクレイドの不動産は母マーサが相続することになり、リナは毎年500ポンドのお小遣いを貰う権利を相続し、マクレイドの肖像画も貰い受ける事になりました。
ジョニーは帰り道に「俺と結婚しなければ、もう少し遺産貰えたと思うけど、結婚を公開してる?」とリナに質問し、リナはジョニーがクビになった時は一度、別れようと思ったと正直に打ち明けます。
リナはクビになった理由は聞かなかったと探りを入れるですが、ジョニーは「メルベックの考え方は甘く、馬が合わなかった」と平気で嘘を吐きました。
全く反省してません。
その後、ジョニーはビーキーの出資で海辺の土地を買い、不動産業を始めようとか言い出しました。
ビーキーもノリノリで出資するそうで、リナはジョニーが居ない時に計画性無さすぎだとやんわりと指摘するのですが、効果はありませんでした。
ジョニーはそんなリナを見咎めて「俺のやることに口出すするな」と強めの口調で命令しました。

その後、土地が良くない、ビーキーの金でやるのは良くないとジョニーは不動産業を断念したようでしたが、リナは何となくジョニーのことが怖くなっていました。
彼女はジョニーがビーキーに事業を止めた理由を説明したいと無理矢理に海辺の断崖に誘う姿を見たのと、ビーキーが文字パズルで「疑惑」、「殺人鬼」とう文字を作ったのを見て「夫はビーキーを断崖から突き落として殺すのでは?」という疑惑を抱き、めまいを起こして倒れてしまいました。
ベッドで目覚めたリナは「海辺へ行く」というメモを見て断崖へ向かったのですが、二人はおらず、帰宅するとジョニーとビーキーが無事でいました。
しかしジョニーはビーキーが車で崖から落ちそうになったのを救ったそうで、リナは安心しました。
不良がいいことをすると美談になるような風量がありますね。

ビーキーはその後、パリへと帰国することになり、ジョニーはロンドンまで送ることになりました。

感想

これは普通です。モノクロ映画です。
スリラーの皮を被ったロマンスで、昼ドラ的ですが、登場人物がサッパリしてるのでドロドロしてません。
リナの考えも飛躍し過ぎていて、浮世離れしている気がしました。
私はこの夫婦がどうやって贅沢に暮らしているのか、それが一番気になって仕方が無かったです。
断崖がリナの恐怖の象徴になっているようで、何度か出てきました。

ジョニーがもう少し悪い感じだと良かったかもしれませんね。
この人はどう見ても紐にしか見えないのですが、自分で悪いことしてるという自覚が無いようです。
結末も何だかリナがほっとした感でああなってしまったような気がします。
今まで全く反省してないので、無駄な気がしますが、こういう女性は相手に「いつかは真人間になってくれるだろう」的な思いがあるようです。

リナの人が弱弱しい感じだったレベッカよりも少し強くなった女性を表情豊かに演じています。

ラストまでのあらすじ

その後、留守番のリナの所に警察が訪ねて来てビーキーがパリで殺害されたということを知らせます。
警察はハッキリとは言いませんでしたが、ビーキーが殺害された際に英国人が一緒にいたというのでジョニーの事も疑っているようで、事業のこと等を色々と聞いて、ジョニーが戻ったら連絡をするように依頼して帰りました。
リナも何だか夫への疑惑を深めるのですが、ジョニーが間もなく帰宅しました。
彼は警察に電話してパリには行っていない、ロンドンの空港で見送ったと証言しました。

リナはジョニーが好む推理小説を書いているイゾベルという人物と面会するのですが、彼女の書いた小説は実在の事件をモデルにしており、その事件はビーキーの事件と同様に酔わせて事故死のように殺害するというもので、そのノンフィクション本はジョニーが借りていました。
また恐らくジョニーが残したメモのようなものには「支払いは別の方法で」と書かれており、直後に保険会社から連絡があったで、リナはますます疑心暗鬼に陥ります。

更にジョニーがインドからの友人からだと言う手紙を盗み見ると、保険金受け取りに関する質問の回答のようで、「受け取りには妻の死が条件」と書かれていました。
その夜、イゾベル達と夕食を採った際にジョニーは「ヒ素を使って相手を殺してバレない方法」を検死官だという彼女の弟に質問していました。
リナはまた顔を曇らせるのですが、、イゾベルによればジョニーは殺人を犯す顔ではないそうです。

その後、イゾベルは誰にでも手に入り、死体からも反応が出ない毒物の情報をジョニーに教えたそうです。
この所体調が優れなかったリナは実家に帰ることにし、自分で運転すると言ったのですが、無理にジョニーに送られることになりました。
窓の外に迫る断崖にリナは怯え、車のドアが開いて外に飛び出しそうになります。
ジョニーが手を伸ばして来るのですが、彼女は拒絶し、停止した車の外に飛び出します。

彼は助けてくれるつもりだったようで、頭を抱えて「君を実家に送って行く。もう迷惑は掛けない」と言いだしました。
実は彼は金策が上手く行かずに逮捕されそうなので自殺を決意して毒のことを確認しており、保険の件も換金できないか確認しただけでした。
ビーキーが死亡した際もジョニーはリバプールで金策に走り回っており、パリには行っていませんでした。
頼むから働けよ。

リナは誤解していたことを詫び、家に帰ってやり直そうとジョニーに懇願するのですが、彼は「人の気持はそう簡単に変わらない」と拒絶しました。
しかし思い直したのか二人の車はUターンし、二人の家に向かうのでした。

うーん。ジョニーの病気は治らないと思います。

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