火星!その恐るべき敵
火星探索したらひどい目に遭う話
制作年 | 1964年 |
制作国 | アメリカ |
監督 | バイロン・ハスキン |
脚本 | ジェリー・ソウル |
上映時間 | 53分 |
出演 |
アダム・ウェスト |
ルーディー・ソラーリ |
ジョー・マロス |
だいたいのあらすじ
トーマス大尉とボーマン中尉の火星探索機が火星に着陸し、トーマスはヘルメットの前を開けてブラブラと船外活動を開始しました。
地球との通信ラグは3分程度あり、ボーマンはウィンストン将軍(ジョー・マロス)の指揮する管制塔と無線連絡を行っていました。
しかしトーマスは何かに襲われたのか悲鳴を上げ、彼を救援に向かったボーマンもやられてしまったようです。
3年後
前回の火星探査計画の第二弾であるM2計画が実行されることになり、ウィンストンは国務省の役人ジェローム(テッド・ナイト)の内部視察を受けます。
まずは前回の問題点であった通信のタイムラグを解消したことを伝え、テリーというリスク分析用のシステムを導入したことを伝えました。
今回の探査機のキャプテンはメリット少佐(アダム・ウェスト)で、ラザリ、バックレ―(ルーディー・ソラーリ)、ジョンソン(ロバート・ドクィ)と共に宇宙空間を順調に飛行中でした。
火星に着陸したメリット達はM1の残骸を見付け、周囲の環境報告を行って指示を待ちます。
メリットはラザリをM1に偵察に出し、「安全第一、任務は第二」と釘を刺し、リアルタイムで管制に報告します。
ラザリは普通の服装という超軽装で外に出て行き、えっほえっほと岩山を乗り越え、M1の近くに到着しました。
まだ火星のことが良く分かってない時代なのでしょうね。
M1の付近でひっかき傷がある金属片を見付け引き抜こうとして手を切ってしまい、ラザリの血が地面に滴り落ち、すると砂の中をサメの背びれのような物がスルスルとこちらに向かって来ており、カニのハサミのような物も二本ビヨーンと地中から伸びて来ました。
メリットはラザリの位置が死角になったため、すぐ帰還せよと指示を出したのですが、ラザリの悲鳴が響きます。
部下のピンチ!と逆上したメリットは外に飛び出そうとするのですが、バックレ―とジョンソンが全力で「ダメです!」と押えました。
メリットは「ラザリが事故に遭った。救助に向かいたい」と報告するのですが、残念ながら却下されてしまいました。
テリーは通信結果を分析して「見えない敵がおり、敵はこちらを検知している」と結果を出しました。
ウィンストンはジェロームの反対を押し切り、敵がいるなら撃滅しなくてはと判断しました。
ウィンストンはメリットにM1に向けて核バズーカで武装した歩哨を一名出し、中間地点にもう一名を置き、船内と中間地点で歩哨を監視するようにと命令を出しました。
核バズーカって凄いですね。
バックレ―が先陣、ジョンソンが中間監視、メリットが船内監視という布陣で作戦を開始し、M1に到着しました。
そしてバックレ―はラザリの血痕の付いた金属片を回収しますが、ラザリの遺体は見当たりませんでした。
帰り道にバックレ―は花を発見して回収し、宝石のような物を発見したので死角に入って回収しました。
そして帰還したバックレ―はメリットに「死角に入るな!」とこっぴどく叱られるのですが、ジョンソンがまだ戻りませんでした。
この人達は本当にダメですね。
ジョンソンは砂地に足を踏み入れたので、あの謎生物にやられていました。
その後、メリット達は帰還することになり、離陸準備に入りました。
バックレ―はメリットに宝石を見せ、「これは凄い貴重ですよ!」と大興奮して話すのですが、メリットは無関心で30分仮眠に入ります。
窓から外を見ていたバックレ―は砂地を見ていて故郷の海岸を思い出し、敵の正体を思い当たったのか無線も持たずに単独で外に出てしまいました。
ピクニックじゃないんだから
感想
これはなかなか面白いです。
行方不明になった探査機を捜しに行く探査機の乗務員と管制の話です。
なかなかリスクマネジメント的に観ると面白く、残酷なようですが、ウィンストンが非常にまともだと思いました。
きちんと部下にも不利な状況等の説明をしていてなかなかできた人物だと思いました。
恐らく主人公はメリットかまたはバックレ―だと思いますが、この人主役でいいかも。
でもこの人も穴が多くて、「もっと武装準備しろよ」って思いました。
バックレ―がヤバ過ぎでウケました。
意外とまともな対応をしていたシーンもあったので、「普段ふざけてるけどやる時はやる人なのかも」と思っていたのですが、そんなことは無かったです。
メリットの引き立て役だったのかもしれません。
怪獣はサメみたいなヒレにトカゲ顔にカニバサミという謎生物です。
全体の姿は出て来ないのですが、首が長いので蛇みたいか、首長竜みたいな感じなのかも。
安いですが、砂の中を進んでくるというアイディアは面白いと思いました。
ラストまでのあらすじ
バックレ―は自分の血を付けた手袋を投げ、ヒレが近寄って来て、トカゲのような顔の生物が手袋をパックンチョしたのを見て「見つけたぞ!」と大喜びしました。
一方、管制からの通信で目覚めたメリットはバックレ―がいないのに気付き、「後ほど連絡します」と言って周囲を確認します。
メリットは「バックレ―が無線を携帯せずに勝手に外に出た」と報告し、軍法会議を覚悟して「彼を連れ戻します」と外に出ました。
しかし砂地の危険性を理解していないメリットは砂地を歩き、サメのようなのに襲われそうになり、慌てて島のような岩によじ登りますが、身動き取れなくなりました。
バックレ―は「あいつが見えない敵です!」と鬼の首を取ったようにメリットに叫び、メリットは岩の上で管制に状況報告をしました。
お前がちゃんと報告すればこんなことにならないだろ!って思いました。
離陸時間は迫っており、ウィンストンはいざとなったらメリットを捨て、バックレーだけでも帰還させるという苦渋の選択をしました。
ジェロームは反対しますが、ウィンストンは「非難は覚悟の上」とこの上、M2と見えない敵の手掛かりまで失う訳にはいかないと説明しました。
しかし肝心のバックレ―は通信を無視して機外でメリットを救う手立てを算段していました。
仕方なくメリットは帰還しろ!と命じ、「見捨てないぞー」と叫ぶバックレ―の代わりに「私が説得します」と通信しました。
バックレ―は「自分が囮になります」と走り出し、メリットは「余計なことすんな!止めろ」と止めますが、仕方なく自分の血をバックルに付けて投げ、その隙にバックレ―を助け起こして砂地から脱出しました。
バックレ―はジョンソンが残して行った核バズーカをぶっ放して敵を撃退したのですが、実は敵は砂の中に沢山いました。
ということで離陸時間には間に合い、通信を行い、予定通りに離陸しました。
バックレ―は「宝石はM2のものでいいよね」とウィンストンに報告して笑いを誘いました。
エンドロールで終了です。