楳図かずお恐怖劇場 ねがい
人形作ったらひどい目に遭う話
制作年 | 2005年 |
制作国 | 日本 |
監督 | 清水厚 |
脚本 | 村井さだゆき |
原作 | 楳図かずお |
上映時間 | 49分 |
出演 |
笠原織人 |
遠山景織子 |
尾美としのり |
だいたいのあらすじ
子供部屋というのは子供だけの独立国のようなものなので、時々「ねがい」が叶うそうです。
1日目
小学生の柚木等(笠原織人)は放課後、友人の眼鏡くんに「今日、家でゲームしない?」と誘われ、「行こうかな」と乗ろうとするのですが、ジャイアン風の友人に「お前の家、反対方向」的なことを言われて仲間外れにされました。
帰宅した等はママ(遠山景織子)に声を掛けて早々に部屋に引き籠り、友達欲しいなあと強く考えていました。
2日目
等は学校帰りに女子から工作で作った棚を褒められるのですが、友達には成れませんでした。
気晴らしにいつもと違う道を通って帰った等は、子供の頭位のサイズの丸い木の塊を見付けて持ち帰りました。
その後、等は木を丸くくり抜いて目のような部分を作りました。
3日目
等は掃除の時間に理科室から人体模型の一部を盗んでいました。
4日目
等が針金を買いに行くというので、ママは「何に使うのかしら?」とこっそり部屋を覗き、そこに釘の刺さった板を発見しました。
その夜、ママはパパ(尾美としのり)に等は一番の成績だけど友達いないみたいだから塾に行かせようかと相談します。
パパは「まあ大丈夫だろ」と気の無い返事をしていました。
5日目
ママは等の部屋に入り、等の椅子に何やら子供サイズの人形が座っていたので仰天します。
どういうことなのか確認するとあの木の塊に人体模型の目、針金の髪、板に打った釘の歯という気味悪い人形だったのでママは悲鳴を上げました。
そこに等が帰って来て「ダメじゃないか」と言うのでママは「そんな気味わるい物作ってないで友達と遊びなさい」と諭すのですが、彼は「友達なんかいらない!髪の毛付けるの大変だったんだぞ」とソコジャナイ感一杯の反論をしました。
6日目
等は人形に名前を付けようと楽しそうに考え、「モクメ」という名前に決定しました。
ノートに候補の名前を書いていたのですが、「ロッキー」とか書いてました。
ママは昨日、驚いた拍子にモクメを倒していたので、等はママに「もうモクメに乱暴しないでね」とお願いしました。
モクメは顎の紐を引くと顎が動く仕組みだったのですが、等は顎を動かしながら「お前が動いたらなあ」と話し掛けていました。
最初に友達できると楽しいですよね。気持分かります。
その夜、超能力スペシャルを食い入るように観ていたパパにママは「等が気味悪い人形作った。友達と遊んでほしい」と話すのですが、やはり遺伝なのかパパは「自分で作ったなんて凄いじゃないか」とソコジャナイ感のある返しをしていました。
そこに等が現れ、パパに「願いを叶えるにはどうすればよいか」と聞いたので、パパは「流れ星に願えばいいんじゃないか」と返答しました。
7日目
学校では男子が昨夜の超能力スペシャルの話題で持ち切りで、等の斜め前の男子は「物を動かしたり、願い事を叶えたりするのは宇宙エネルギーで、誰にでもあるんだぜー」と話しており、等はそれを楽しそうに聞いていました。
等がその男子に「どうすれば宇宙エネルギー使えるの」と聞くと、「物を見つめて精神統一。見ていた物が壊れれば願いが叶うよ」と教わりました。
等は大人しいですが、正格も悪くないのでこんな感じで話しかければ友達出来そうです。
帰宅した等は早速、モクメが動くように願いを念じ、そっと部屋を覗いたママは不安げでした。
モクメの所為で黒い系の儀式に見えます。
8日目
ママは等から宇宙エネルギーの件を聞いたようで、パパに心配だと話し、子供の空想だろと返されていましたが、パパは「心配だったら塾にやってもいいよ」と言ってくれました。
9日目
等は早速、塾へ通うようになりましたが、相変わらず宇宙エネルギー発動していませんでした。
10日目
勉強が良く出来る等は隣の席のカワイイ女子(奥村夏未)に「君、頭いいね」と話し掛けられ、「また明日ね」等と挨拶されるようになりました。
11日目
等は塾で女子に「同じ中学行こうかなー」等と唾を付けられ始め、日曜日に一緒に勉強する約束までしてしまいました。
彼はあれから回り道をして帰るようにしていたのですが、「この道を通るようになってから楽しいこと起こるなあ」と喜んでいました。
等は帰宅して寝転んでいた際にモクメを見て仰天してしまい、自分でも「こいつ気味悪い」と感じるようになっていました。
女子があざとい系ですが、可愛いので目覚めたようです。
12日目
日曜日になり、女子が家に来たので、ママは大喜びでした。
等は急いでモクメをワードローブに隠し、女子を部屋に迎えました。
女子は座った際にモクメの釘で指を怪我してしまい、先日まで指に包帯を巻いていた等と同じになったとあざとい事を言い出し、女子どころか人間にも免疫の出来ていない等はやられてしまいました。
等はモクメと別れる決心をし、近所の工事現場の穴にモクメを投げ込み、「さよなら」と言いました。
13日目
数か月後
等は毎日、女子を自転車の後ろに乗せて送るようになっており、彼女と別れた後、ふとモクメのこと思い出しました。
彼が見に行ってみると、モクメを埋めた工事現場はもうビルが建っていました。
その夜、等が念じる際に見つめていた電気スタンドが割れていました。
感想
これは普通です。
お話は原作を余り覚えていませんが、大筋は同じような気がします。
子供の幻想世界のかわいらしさと怖さがなかなか良く描かれている気がしました。
全体的に不穏な感じの色の映像がなかなか良い雰囲気で、塾と学校、自宅にはいつも黒雲が上空を覆っています。
古い町並みの映像が素敵で、ピアノのBGMも素敵でした。
モクメは忠実に再現しようと頑張った形跡があり、好感が持てます。
不気味なんですが、捨てられている姿は悲し気に見え、泣きませんでしたが胸が痛みます。
子役が可愛くて上手だと思いました。
等の子は演技も自然で可愛い少年で、正格も良い感じです。
モクメという不気味趣味が無ければよいと思いました。
女子役の子も演技が自然で可愛い子ですね。
両親もその辺にいそうな感じでGOODでした。
結末は悲しくてちょっと泣けます。
私が持っているDVDだと「まだらの少女」とカップリングされてるんですが、こっちの方が好きかも。
ラストまでのあらすじ
14日目
等はモクメの事を考えてしまい、元気が無かったので女子が「元気ないね」と塾で話しかけていると、階段から転落するという事故が発生します。
彼は女子の陰にモクメの姿を見たような気がしていました。
その夜、モクメの夢を見た等は怖くなり、両親の布団に入れて貰って一緒に寝ました。
15日目
女子は塾を休み、先生に聞いた所、もう塾には来られないと連絡があったそうです。
これはショックデカいですね。
等が帰宅するとママが居らず、きぬさやを剥いている途中で、鍋も火に掛けっぱなしでした。
雷の影響で家は停電してしまい、等が自室に入ると部屋にはモクメがいました。
モクメは細い木の脚で等に迫り、足首を捕まえ、暴れた等はモクメと共に階段から落ちます。
モクメは等の肩口に釘の歯で噛み付き、振り払われた衝撃で首が背中の方にもげながらも等を追います。
等はモクメに「ずっと友達でいるから」と言うとモクメの攻撃は止み、等は「ゴメンね」と絶叫しながらダイニングの椅子で何度も何度もモクメを殴りつけて壊します。
「お前は僕が作ったけど、お前がいると友達ができないんだ。ゴメンね」と絶叫し、モクメをバラバラにした後、等は泣き続けます。
ママは実は女子が引っ越すというので迎えに行っていただけだったようで、メモが残っていました。
パパは駅でママと一緒になり、女子も連れて帰宅しました。
三人共、血まみれの等を見てビックリしてしまい、泣きじゃくる等を宥めるのでした。
悲しい話でした。
女子が引っ越すのは残念ですが、友達ができるといいですね。