<●><●> ZOO

ZOO

行き先、不明。

制作年 2005年
制作国 日本
原作 乙一
上映時間 120分

収録作品(ネタバレ)

アートなオープニングですね。

カザリとヨーコ

監督 金田龍
脚本 東多江子
出演
小林涼子
松田美由紀
吉行和子

ヨーコ(小林涼子)には双子の妹カザリ(小林涼子)が居たのですが、ママ(松田美由紀)はカザリだけを可愛がり、ヨーコのことは事あるごとに虐待していました。
彼女は食事も満足に出してもらえないので、いつもボサボサの髪で制服を着ており、対照的にカザリはいつもキラキラでした。
また、部屋も与えられないヨーコは台所の片隅で寝起きしていましたが、ヨーコはカザリの事は大好きでした。

ある朝、登校中にヨーコは「アソって名前のテリアを捜してます。スズキミツコ」という張り紙を目に留めました。
学校でもカザリは人気者なのですが、ヨーコは虐められるので保健室に入り浸っており、その日も同級生に「身体の痣見せろ。」と服を捲られ、「臭い」と言われたりしました。
帰宅したヨーコは倒れるまでママに殴られるのですが、ママの口癖は「あたしが産んだんだから生かすも殺すも自由」ということでした。
そんなある日、家に帰りたくないヨーコは雨の公園のベンチに座っていたのですが、白いテリアがすり寄って来たので「これはアソでは!」と勘付き、ミツコさん(吉行和子)の家に連れて行きました。

ミツコさんはちょっとうっかりな人のようですが、大喜びでヨーコを家に上げてお茶とお菓子を出しました。
彼女は、餓えているのでガツガツと食べるヨーコを見て、食べ方も教えてくれ、「おいしいです」と微笑むヨーコに「うれしいわあ」と喜んでいました。
ミツコさんはお礼を言いつつ「プレゼントを用意しなきゃね。」と呟き、「今度夕飯を食べにいらっしゃい」とヨーコを招待しました。
ヨーコは目を輝かせ「それは是非とも頂きたいもんですなあ」と返答しました。

その後、ミツコさんはヨーコに巻き方を教えながら手巻き寿司を振る舞ってくれました。
イクラが一杯で美味しそうです。
カザリのことを尋ねられたヨーコは「顔は同じですが、性格が暗い私とは正反対です」的なことを返答し、ミツコさんは微笑みながら「人は変われるのよ」と優しく諭します。
その後、ヨーコにお風呂を貸してくれて可愛い浴衣も出してくれたミツコさんは星の王子様の英語版の絵本を読んでいたヨーコの髪を梳かしながら「あなた美人だから笑ってみれば」とアドバイスします。
「自分は醜い」と否定するヨーコに「そんな風に考えちゃダメよ」と励まし、ミツコさんは「今度、船で旅行に行こうね。好きな所に行って一緒にくらそうね」的に誘ってくれました。

ミツコさんは家の鍵を「この前、言ったプレゼント」ヨーコに渡し、「ここはもうあなたの家だからいつでも来てね」と言い、星の王子様の絵本もくれました。
ミツコさん神過ぎて目がウルウルします。
二人は友達になり、ヨーコはミツコさんのことを「ミツコさん」と呼ぶことになりました。
案の定帰宅したヨーコは「この本盗んだんだろ」とママに突っ込まれて虐待され、「産んでやっただけありがたいとおもえ」的なことを言われて首を絞められ、「ママありがとう(産んでくれて)」と言って倒れます。
ママは「本は没収。ママの部屋に入って来たら殺してあげるからね」と本と鍵を取り上げました。

ヨーコはママの部屋から本の中の鍵を回収したのですが、カザリが入って来たので隠れます。
カザリはママのCDを拝借しようとしていた拍子に花瓶の水をPCに倒してしまったので、ヨーコに罪を着せようと絵本を持って立ち去りました。
ママに殺されると感じたヨーコは家を飛び出し、ミツコさんの家に向かったのですが、家の前には忌中の張り紙があり、ミツコさんは脳卒中で倒れて亡くなっていました。
葬儀屋(木下ほうか)達が後片付けをする様子を尻目に引き揚げたヨーコは建物の屋上から身を投げようと決心しました。
持ち上げて落とすとかあんまりです。

しかしヨーコは「人は変われる」というミツコさんの言葉を思い出して立ち直り、カザリに「私が代わりに怒られるから、今夜だけ入れ替わろう」と提案し、受け入れられます。
じゃんけんの結果、ヨーコになったカザリが先に家に入ることにし、怒りのママに突き落とされて落下死しました。
ママが突き落としたというのは私の勝手な判断で、カザリの落下シーンしかありません。
カザリになったヨーコはママの命令でヨーコ(カザリ)の遺書を書きました。
ママはカザリ(ヨーコ)にヨーコ(カザリ)は自分でいきなり飛び降りたと嘘八百を言い、カザリ(ヨーコ)は「ママが落としたんじゃないの?」とツッコみ、「ヨーコはママの事大好きだったのよ」と話しました。

ヨーコはその話をしても表情に変化が無いママを見て、家には見切りを付けました。
最小限の荷物をリュックに詰め、いつも台所の隅で座っていた際に使用していた座布団を手に、引き取ったアソを連れて「おっしゃー」と旅に出ます。
彼女の胸にはミツコさんに貰った鍵が輝いていました。

これは悲しい話で、ブラックですね。
妹が死ぬように仕掛けておいて、「おっしゃー」も無いものだと思いましたが、ここまで来ると生きるか死ぬかの状況なので、彼女は責められない気がします。平和に暮らせることを願います。
ママも酷くて何がしたいのか良く分かりませんでしたが、元々虐待等は意味不明なもので虐待している当人にも良く分からないのでしょうね。
私も仕事が忙しいと周囲への対応が雑になってしまう時があるので、反省しきりです。
それはそうと元々、カザリよりヨーコの方が可愛く見えたのは私だけでしょうか?

SEVEN ROOMS

監督 安逹正軌
脚本 奥寺佐渡子
出演
市川由衣
須賀健太
佐藤仁美

JDの姉(市川由衣)は弟のサトシ(須賀健太)と共に刑務所のような所に監禁されていました。
ドアの前にはパンが載った皿が置かれており、部屋の中にはどぶのような汚水の流れる溝があり、二人共服は着ていましたが、裸足でした。
溝はどうやら別の部屋に繋がっているようなので、姉は身体の小さいサトシに「カッコいいとこ見せなさい」とパンツ一丁で偵察に行くよう指示します。
結局、出口は見つからずサトシは戻って来たのですが、姉は汚水にまみれたサトシに「臭いから近寄って来ないで」と言いました。
サトシは他にも部屋があると姉に伝えます。

隣の部屋にはおばさんが居て、サトシを見てパニックを起こし、その隣には眼鏡のお姉さんが居てサトシに皿をぶつけ、その隣にはギャルがいました。
姉はそれを聞いて「じゃあ、反対側も調べてよ」と指示し、「姉ちゃんが行けよ」と返答されたので、「あたしじゃ入れないから頼んでのよ!」とキレました。
サトシは「頼んでないだろ…命令だろ。」とブツブツ言いながら仕方なく反対側の溝に潜ります。
隣の部屋にはJDが居り、その隣には誰も居らず、その隣には「あなたも見たでしょ!皆死んじゃうの」と迫ってくる電波な女性がいました。

電波な女性によると毎日夕方の6時になると死体が溝を流れるそうですが、姉が「なにそれ」と聞くとサトシは「他の人も何も言ってなかったから嘘だよ」と否定します。
サトシは「パン食べていい?」と聞くと姉が「いらないって言ってるでしょ」と言うのでパンを食べるのですが、姉は毒が入っていたのではないかと考えていたようで、サトシが平気で食べてるのを見て「あたしの分は」と要求します。
姉弟がここに来てから三日が経ち、姉は役に立つものがあるかもしれないから皆の物を集めて来いと命じます。
サトシはまた汚水を潜水し、お姉さんに「姉がパンを独り占めするんです」とチクリながらもコンドーム、キーホルダー、ヘアバンド、コンドーム、レシート、メンバーズカードを集めて来ました。

姉は「たったこれだけ?」とサトシを責め、開き部屋にも新しい女性が入っていて、端の部屋には電波な女性が居なかったと伝えます。
姉は壁に日付と部屋の図を描き、状況を整理しました。

ギャル 眼鏡 おばさん 姉弟 JD 新人 無人
6 5 4 3 2 1

その後、夕方6時を過ぎると溝が血に染まり、ギャルの遺体の一部らしきものが流れて来ました。
姉は何者かが拉致して来た人を6日間監禁して午後6時に殺すのだと推理しました。
サトシは次に殺されそうな眼鏡女性の部屋を訪問して戻り、姉は「次に殺されるって教えてあげた?」と聞いたので、「ううん、お姉ちゃんならどう?教えて欲しい?」と返答しました。
後日、眼鏡女性が殺害されたので、姉は隣のおばさんが殺される前にサトシを偵察に出しました。
おばさんは何となく死を悟っていたのか、サトシから聞いたのか「もう要らないから」と上着やネックレスをサトシに差し出しましたが、いざとなると怖くなったのか、「一緒に死んで」とサトシを抱きしめました。
そしてサトシは部屋のドアが開いてチェーンソーを持った殺人鬼が入って来るのを目撃しました。
一方、姉は溝が血に染まったので、もしや!と思い泣き出してしまったのですが、サトシは血の海を泳いで生還したので姉は泣きながら彼を抱きしめます。

サトシもまた、おばさんから貰ったネックレスを手に握りしめ、「チクショー」と憤るのでした。
サトシは「顔は見えなかったけど、デカい男が電気ノコギリ持って現れた」と姉に告げ、ドアは閂で固定されているようだと説明しました。
姉はドアの隙間からメンバーズカードを差し込んで閂の存在を確認しました。いよいよ姉弟が殺される順序が来たので、姉はヘアバンドをパチンコのように利用して天井の裸電球を撃って部屋を暗くしました。
そしていよいよ殺人鬼がチェーンソーを手に入って来たので、部屋の隅で「弟には指一本触れさせない」と仁王立ちして叫びました。
殺人鬼が突撃して来たのですが、姉は何とかかわし、背後のサトシにチェーンソーが刺さったと思ったのですが、それは人形でした。
本物のサトシはドアの陰に隠れ、殺人鬼と入れ替わりに部屋を出て閂をがっちりと架けました。

実は姉は「この方法しか無い」と人形を作るためにサトシに皆にアイディアを説明させ、服を集めさせていたのです。
部屋を出たサトシは他の部屋の閂を開けて次々に女性を救出しました。
そして皆は地下室のような所から脱出しますが、サトシは響くチェーンソーの音を聞きながら姉弟が居た部屋の前に立ち、姉との会話を思い出しました。

サトシが部屋で姉と身を寄せ合いながら「うちに帰りたいね」と話すと姉は「帰ったら風呂入りなさいよ。あんた本当に臭い」と答えました。
「俺が産まれた時、どう思った」と聞くと姉は「ナニコレ?って思った。正直、自分に関係あるものとは思えなかったね」と答えつつもサトシの頭を撫でてくれました。

しかしそんな姉は命懸けでサトシを逃がしてくれ、更に他の女性も救ったのでした。
サトシは姉の笑顔を思い出してドアの前で号泣し「お姉ちゃん…」と呟きながら、閂に手を掛けるのですが、他の女性に止められ、一緒に外へと去りました。
これは泣けます。前見えません。
殺人鬼の目的等も分からず、意味不明な話なのですが、姉弟の掛け合いも面白く、これと「そ・ふぁー」が特に面白いような気がします。
自分勝手に描かれていた姉が実は利発な人物で、弟想いだったと判明します。
姉は弟を守りたいという気持ちもあったのかもしれませんが、全員の命を計りにかけたのかもしれません。
殺人鬼に一泡吹かせたいという気持ちも少しあったのではないかと想像します。
無意識に弟の頭を撫でていたり、人形である弟を庇うシーンを見ていると、親子とか姉弟の保護も本能なのかなあという気がして、「カザリとヨーコ」の対比のような気がしました。
これはサトシと姉の人の演技が良かったと思います。
隣のおばさん役は佐藤仁美さんで流石に安定している印象で、ちらっと吉高由里子さんっぽい人が出てた気がしますが、見誤りかもしれません。
殺人鬼の人は外国人の方みたいな気がしました。

SO-far そ・ふぁー

監督 小宮雅哲
脚本 山田耕大
出演
神木隆之介
鈴木杏樹
杉本哲太

パパ(杉本哲太)が運転する車がママ(鈴木杏樹)を助手席に乗せ、夜道のトンネルを昇り切った所で大型トラックと玉突き事故を起こしてしまいました。
ぼく(神木隆之介)は家でお留守番していたのですが、ラジオでそのニュースを聞き、死者二名、重症者三名ということでした。
ただ、ぼくは三人掛けのソファーに座ってパズルに熱中していたので、ラジオの内容はあまり聞いていませんでした。

電話が鳴ったのですが、ぼくが出ないでいるとすぐ切れ、同時に部屋の隅にパパが帰って来ており、パズルを見て「手伝ってやろうか?」と声を掛けました。
ぼくは自分でやりたかったので、「いい」と答えるとパパは寂しそうに俯き、「そうか…頑張れよ」と返答しました。
今度はママがキッチンから現れ「ジュースばかり飲んで」とぼくを咎めるのですが、ママにはパパが見えないようなのです。
ママから宿題をやりなさいと言われたので、ぼくはママと一緒にソファに座って宿題をやり始めるのですが、パパは「そんなとこで勉強してると目が悪くなるぞ。旨いもんでも食べに行こう」とぼくを誘います。
パパにもママが見えないらしく、ママには声を掛けずにぼくだけを連れて行き、ソファにママが座っているのに電気を消しました。

翌日、ぼくはママと歩きながら公園に座っているパパを目撃し「あ、お父さん…」と呟くのですが、ママは「哀しいけどお父さんはもういないの。二人で頑張ろうね」と哀しそうに言いました。
夜になれば食卓にはママとぼくの二人分の料理が並び、パパはパパでお弁当を買って来て「弁当どっちにする?」と聞いて来るのでぼくは困ってしまいました。
そしてママは「お父さんは自動車事故で亡くなった」と言い、パパは「母さんは自動車事故で亡くなった」と言うのでぼくは益々、混乱してしまいます。

ある日、ママが「ハサミ何処かしら?」と捜していたので、ぼくは「お父さんに聞いてあげよっか?」と答え、隣で新聞を読んでいたパパに「ハサミ何処?」と聞き、「キッチンの引き出しじゃないか」と返答されたので、ママにそれを伝えます。
三人はソファに並んで座り、ぼくはママに「僕にはお父さんが見えるんだ」と言い、パパには「お母さんが見えるから、お話しするね」と言いうと、パパは「そうだな。本当にそうみたいだな」と優しく答えます。
ママは暫くハサミを手に固まり、考え込んでいるようでした。

ぼくはママとパパの伝言をすることになったのですが、実は両親は不仲だったらしく口喧嘩の伝言ゲームをさせられた挙句、「つまんないな」と言って寝室に行ってしまったママに、パパは「お前がいなくなって本当に良かった」って伝えてとぼくに指示します。
えー!って思いました。何だかドライブ中も険悪な空気でしたが。
ぼくは仕方なく寝室のベッドに哀しそうに腰掛けたママにパパが言ったことを伝え、ママは泣きながら「ほんとうに…」と伝えるように指示しました。
ママの動く唇アップだけで、なんて言ったのかわからないのです。

ぼくは驚愕しながらそれをパパに伝え、パパはブチ切れて机の上のパズルをぶちまけてママと汚い言葉の押収になり、ぼくは泣きながらそれを伝える内に「ぼくの中で何かがはじけた」そうで、倒れてしまいました。
ママはぼくをソファで抱きしめ、「さっきはゴメンね」とキッチンにジュースを汲みに行ってくれました。
そして突然ぼくの横でタバコを吸い始めたパパはぼくの頭を撫で、「母さんに明日の予定を聞いて来てくれないか?」とお願いしました。
しかしキッチンにはママは居らず、ママが現れるとパパが現れ、パパが現れるとママが消えるという事象になり、どうやら両親の時間軸は別になってしまったようで、ぼくはこの現象を「お父さんの世界とお母さんの世界が離れ始めた」と分析しました。

その夜、ぼくはソファでお酒を呑んでいたパパに「お父さんかお母さんかどっちかしか見えなくなった」と説明し、パパに「こっちにおいで」と呼ばれたのですが、首を横に振り「そんなわけないだろ」と疲れたように言うパパに「ごめんなさい」と言って外に出て行きました。
しかしその時、ママがパパの背後のキッチンに立っていたのです。
ぼくは泣きました。公園のブランコに座ってメソメソと泣きました。
そこにママが迎えに来たので、ぼくは「僕はお母さんの世界で生きることにする」と告げました。
ママはぼくをぎゅっと抱きしめました。

その後、ぼくはパパの姿を見なくなりました。
ある日、ママと一緒に病院に行ったぼくは医師(志賀廣太郎)から「君のお父さんは車の事故で亡くなったということだけど…。じゃあ後ろに立っているのは誰かな?」と聞かれて振り返ると、背後にはパパがいました。
しかしぼくは「誰もいません」と答え、ママは「父親の姿が見えなくなったみたいなんです。」と困った顔で言いました。
パパも「僕の声が聞こえなくて触っても無反応ですが、無理矢理抱きしめると脱力して人形みたいになるんです」と医師の相談します。

実はパパとママは喧嘩をした後に意地の張り合いになり、ぼくにお互いが居ないと言い聞かせ、その結果パパが見えなくなったのだということでした。
えー!両親は幽霊なのかと思ってました!死亡事故とは無関係だったようです。
ぼくは「お父さんとお母さんは事故を起こしていなかった。お父さんが見えないのは悲しいけど、これで良かったんだと思う」と独白しました。

ママは庭で花に水をやっており、パパは自転車の修理をしながら、両親の方を向いているぼくに微笑みかけて手を振るのですが、やはり反応は無く、悲しそうな表情になります。
それに気付いたママも悲しそうな表情を浮かべますが、パパはバツが悪そうにママに笑い掛け、ママも笑顔になりました。
ぼくは両親が仲良くなったのが嬉しいようで、満面の笑顔を撃浮かべ、先ほどの独白の続きを「だって、お父さんとお母さんが仲良くなってくれたから」と続けました。

これはいい話系ですけどちょっとパパ可哀想。
最終的には「ぼく」はパパが見えたってことでしょうか?良く分かりませんでしたが、その内見えるようになりますよね!
こういう両親の伝言ゲームって単純なのだと、「パパに何食べたいか聞いて来て」とか良くありますよね。
私、子供の頃、スーパーで伝言ゲームするの好きだったなあ。
その内、「ぼく」の家もそんな楽しい伝言ゲームができると思います。
ママとパパと「ぼく」が唇だけで会話してるシーンがあったのですが、あれは言葉が重要というよりも「ぼく」がフィルターをかける位に醜い争いになってしまったという表現だと思っています。
パパもキレたりはしてましたが優しいし、ママも美人で優しいので、今後は改善されますよね!
どうでもいいですが、「ぼく」はママ似だと思います。可愛いし。
最後に字幕が出るのですが、タイトルの「SO-far」は英語の「配偶者(の心が)が離れる」という意味から掛けてるみたいです。

陽だまりの詩

監督 水崎淳平
脚本 古屋兎丸
声の出演
鈴木かすみ
龍坐

少女(鈴木かすみ)が研究所のような所で目覚めると、眼鏡を掛けた白衣の優しそうな男(龍坐)が居り、「君を作った人間だよ」と告げ、彼女を外へと導きました。
二人はシェルターのような物から出て来たのですが、外には気持のいいそよ風の吹く原っぱが広がっており、空には白い雲が浮かんで鳥が飛んでいました。
彼女はアンドロイドのようで、男は森の中の家を指差し「君はあの家で僕の世話をすることになる」と教えました。

二人は家の中に入って行き、男はまず、少女にコーヒーの淹れ方を教えます。
少女は「コーヒーは覚えました。今度から私が作ります。」と言って、男に勧められるままにコーヒーを飲み、感想を聞かれると「私はこの味があまり好きではありません」と答えました。
男が砂糖を入れさせると、彼女は「甘味が増え、飲みやすくなりました。コーヒーは私の体内に正常に吸収されました。」と言いました。
アンドロイドなので説明口調みたいです。

少女が「あなた以外の人は何処にいるのですか?」と問うと男は「何処にもいない」と返答しました。ある日、玄関に鳩の死骸があったので、男は少女に「君ならそれをどう処理する?」と質問し、彼女は死骸を遠くまで投げました。
それを見た男は「君には死を学んでほしい」と言いました。
キャベツを畑で作っていた少女はキャベツを齧っていた兎に遭遇し、その件が男と話題に上がると「私達の食べ物を齧るなんて嫌な気持ちがします」と心境を語りました。

その後、男のチェスの相手をしたり、家事をこなしたりしながら少女の時間はゆっくりと過ぎて行きます。
彼女は自分が約47億秒後に活動を停止すると知っており、生き物がやがて活動を停止することも学びました。
少女が機動してから1ヶ月が経過したのですが、男は少女に「僕は後、1週間で死ぬから丘に埋葬して欲しい。君を作ったのはそのためなんだ」と話し、少女は戸惑いながらも「わかりました」と答えました。

いつもは快晴だった原っぱが珍しく曇り空だった日に少女は畑から逃げた兎が、崖下に転落して死亡しているのに遭遇します。
少女は降り出した雨の中を兎の所まで降りて行き、動かない兎を手に取り「どこか壊れちゃったの?あの人に直してもらおう」と呟き、兎を抱いて男の所へ連れて行こうとするのですが、足場の岩が崩れて転落してしまいました。
男がなかなか戻らない少女を心配して家から出てくると、激しい雨の中を首が取れかかってヨロヨロと歩いて来る少女を発見したのですが、彼女は血を流した兎の死骸を抱いて「この子を直してください」と男に頼みます。
男は「兎はもうダメだ。」と返答し、少女はオイルの涙を流しながら「私、この子が意外と好きだったんです」と泣き、男は「それが死だ」と教えました。

男は研究所で少女を修理するのですが、少女は「なぜ私を作ったのですか?死んでしまったあなたを埋めるのは辛いです」と男に恨み言を言います。
二人は兎のお墓を作って死骸を埋め、男は明日自分も死ぬと少女に告げました。

翌日、少女が男に後どの位で死ぬのかと尋ねると男は「1729秒」と答えました。
彼女は自分も停止する時間を正確に把握していると言い、崖から落ちた際に森が木に覆われた高僧ビルディング群だったのを見たので、男の正体がアンドロイドであることを見抜きます。
少女は「人間は随分前にいなくなったのではないのですか?あなたはどの位一人で居たのですか?」と質問すると男は「150年前に作られた。僕を作った女性もアンドロイドだった」と返答しました。

この世界はずっとアンドロイドだけが停止する前に自分を継承するアンドロイドを作るということが繰り返されていたのですが、男は「僕は僕の意思で君を作った。この世界に産まれて来れたことを幸せだと思うから」と告白し、少女は「ありがとう」と言いました。
やがて男は停止して動かなくなり、少女は約束通り、男を丘の上に埋めました。少女はまぶしそうに日差しを見上げ、丘には今日も爽やかな風が吹いています。
彼女は男と一緒に写した写真を家に飾っていました。

これは切ないSF風の話でした。
これだけアニメなのですが、とても静かなお話なのです。
実写にすると単なるグロになってしまうのでアニメにしたみたいなのですが、映像も綺麗で効果あったと思います。
絵がほのぼのしていて美しかったです。
男がアンドロイドだったのは意外な展開でした。

ZOO

監督 安藤尋
脚本 及川章太郎
出演
村上淳
浜崎茜

ソファに男(村上淳)が寝ていたのですが、鳴り響く電話の音に起こされます。
しかし男は電話には出ず、ノロノロと起き上がってタバコを咥え、白骨化した女性が写ったポラロイド写真を眺めます。
壁にはまだ生きていた頃の女性(浜崎茜)がこちらを挑戦的に見る写真が飾られていました。

104日前
女は男と一緒に暮らしていましたが、いつも彼女の写真を撮っていた男に「写真は嫌いだから止めて」と告げていました。
彼女はHする時に男に噛みつき、血まみれの唇でシャツにキスして「あたし達の印」と呟きました。

92日前
二人はドライブの最中にこの動物園の廃墟を発見し、女が立ち寄れと言うので、立ち寄ったのですが、彼女は立入禁止をものともせず、フェンスを越えて園内に侵入しました。
彼女は空になった檻を見て「ある日、動物たちが反乱を起こしてここから脱走したの」とか言い出します。
動物がどうやって檻の鍵を開けるのかと笑い飛ばした男に「あなたは自分の檻の鍵、開けられるの?」と女は質問しました。
彼女は小さい頃にシマウマをひたすら眺めていて動物園に取り残されそうになったいた話をしました。そして女は男に別れを告げ、「お前が居ないと生きていけない」と言う男に女は「じゃあ死ねば」と返答しました。
更に「男はあなた一人じゃない」と言われた男は逆上し、彼女を絞め殺してしまいました。

その時、男はシマウマを目撃し、女の遺体を檻の陰に隠しました。
それから男は一日一回ここに来て、女の死体の写真を写していました。

その後、男は女が吸血鬼のようなものになって襲い掛かって来るという悪夢を見たのですが、目覚めるとシャツに血のキスマークが入っていました。
女から電話があり、「まだわからないの?男はあなた一人じゃないのよ」と言われ、キスマークが消えました。
それから彼女の写真が一枚ずつ届くようになったそうです。エンドロールで終了です。

これはつまらないです。
お話が意味不明なのもありますが、演出もイマイチです。
画質が悪く、凄く時代遅れの若者映画みたいな感じで1ミリも面白く無かったです。


感想

これは普通です。
全体的に面白いお話が多いのですが、最後の一本だけイマイチでした。
子役が非常にうまかったと思いました。特典はメイキングやイベント映像等入ってました。この映画は音楽が良いので、最後に曲について書かせてください。

カザリとヨーコ

ラフマニノフのOp.34-14「ヴォカリーズ」のピアノ版が使われてます。
これは元々は管弦楽曲だったのですが、ピアノ版も有名ですね。
ラフマは非常に美しい旋律の主題が多く、パガニーニ狂詩曲の18番やピアコン二番の主題部分は割と耳にする機会が多いと思います。
この人の曲は疲れている時に聞くと癒されて逆に涙が出そうな美しさがあります。

SEVEN ROOMS

シューベルトの弦楽四重奏曲第14番ニ短調「死と乙女」 D.810だと思います。
主題部分等を上手くシーンに合わせて使っていて効果があったと感じます。
歌曲で有名な人ですので、エレンの歌第3曲 「アヴェ・マリア」や音楽の時間でお馴染みの魔王、野ばら、ますが良く耳にする曲でしょうか?
「ザ・グレート」や「ロザムンデ」もちょいちょい聞かれるかもしれません。
古典派という感じで、実を言うと交響曲から歌曲集までCD沢山持ってますが、たまにしか聞かないです。

SO-far そ・ふぁー

ドビュッシーの前奏曲集第1巻 L 117 8番「亜麻色の髪の乙女」とベルガマスク組曲 L82二番「メヌエット」と三番「月の光」ですね。
ベルガマスクでメヌエットを聞くのは珍しく感じられ、診療所のシーンで流れてました。
これらと2つのアラベスク、牧神の午後は割と耳にするでしょうか?
割と前衛的な曲が多い印象で、散文的に美しい旋律が入ってる気がして、情景が目に浮かんでくるような作品も多いです。