わしもゾンビ映画を作ってみたよ! サンゲリア

サンゲリア

汚いゾンビにひどい目に遭わされる話

制作年 1979年
制作国 イタリア/アメリカ
監督 ルチオ・フルチ
脚本 エリザ・ブリガンティ/ダルダノ・サケッティ
上映時間 91分
出演
ティサ・ファロー
イアン・マッカロク
リチャード・ジョンソン

だいたいのあらすじ

白い死体袋のに入った遺体が上半身を起こし、男が拳銃で遺体の頭部を撃ったところで幕開けです。
男は「ボートで脱出する。」と言います。
遺体の頭部から肉片が出てます。

ニューヨークに無人の大型ヨットが漂着します。
迷走して危険な状態だったので、湾岸警備隊が出動し、巡視船に乗った警官2人がヨットに乗り込みます。
船内には放置されて腐った食料や散乱した衣服などがありましたが、人の気配はありません。
なぜか鍵盤(楽器)があるのですが、その上にゴカイが這ってます。

警官隊の一人は船室で切断された人の手を発見します。
その直後、戸棚から突然ゾンビが出現!警官は首を齧られて倒れます。
ゾンビは船上に移動し、もう一人の警官を襲いに向かいます。

ゾンビに気が付いた警官は制止を無視するゾンビの胸に何発か発砲し、ゾンビは湾内に転落します。

どこかの編集部
電話で漂着したヨットの事件情報を受けた編集長はポール(イアン・マッカロク)を呼び、取材するように指示します。

そのころヨットは埠頭に停泊され、警察の現場検証を受けており、先ほど死亡した警官は検視に回されたようです。
現場ではヨットの持ち主の娘であるアン(ティサ・ファロー)が呼び出され、事情を尋ねられていました。
アンいわく「父親は3ヶ月前にアンティレスに向かい、音信不通」とのことです。
警察は船内に潜んでいた何者かに警官が殺害されたと考えていますので、アンの父も疑われています。
こんなところで事情を聴かなくてもいいと思ったのは私だけでしょうか。
ヨット内の警官死体跡のチョークの前でやってます。

病院では死亡した警官の検視が行われており、医師は首の傷は噛み傷であると断定します。
シーツをかけられた警官の遺体の手が動いています。

夜の埠頭
アンは見張りの警官の目を盗んでヨットに侵入します。
アンが船内を探っていると先に忍び込んでいたポールと出会います。
ポールは取材のためアンの後を尾けていたようです。ポールはアンに取材協力を依頼します。
侵入する際のBGMが陽気です。

2人は船内で誤って物音を立ててしまい、不振に思った見張りの警官が乗り込んできます。
2人はアウトドアセックス好きの変人カップルを装い、うまく船から叩き出されます。
アンは顔知られてないのでしょうかね。会話がヘンで面白いです。

次の日
船内で発見したアンの父親が遺したメモを編集長に報告するポール。
・マツールという島で奇病が発生
・アンの父は解明のため自身を実験材料に
・メモの日付は9月15日
ポールとアンはマツール島に向かうことにしました。
マツールへは中継地まで飛行機で移動、その後は船です。
中継地でのBGMが南国風で陽気です。ファミコンみたいな音楽。

2人はマツールへ移動するための船を探し、ブライアン、スーザン夫妻がクルージングへ向かうとのことだったので、同行を依頼します。
ポールが夫妻に事情を説明し、マツールに向かいたいと告げるとブライアンは顔を曇らせます。
ブライアンいわく「マツールは不吉」、「現地でも有名な呪われた島」ということです。
ブライアン夫妻をなんとか説得し、2人はマツールまで送ってもらうことに。

マツールではメイナード医師(リチャード・ジョンソン)がグアダルーパあてに無線連絡をしています。
無線は全くつながらないようで、この島は孤立しているようです。
そこに医師の妻ポーラ(オルガ・カルラトス)が現れ島を出たいと訴えます。
ポーラは神経質で酒浸りになっているようで、夫婦仲はよろしくないようです。
メイナード医師はゾンビの研究をしているようで、ポーラと口論の後、診療所へ向かいます。

診療所
メイナード医師は何かの細胞に自身の血液を与え、顕微鏡で前後の変化を確認しています。

マツール島へ移動中のポール一行
マツールは地図にもない小さな島らしく正確な位置はわからないようですが、アンは遠方にマツールらしき島を発見します。

スーザンが潜りたいというので、小休止します。潜水し、海中撮影をするスーザン。
ここでスーザンのおっぱい&Tバックサービスがあります。なぜ水着を着けないのか。

スーザンの後方から大きな鮫が接近します。後方を振り返り、危機を察知した彼女は岩にしがみついて逃れます。
彼女はその後、浮上しブライアンに助けを求め、自身は海中へ。
ブライアンは鮫を銃撃しますが、なかなか当たらず、鮫は船に体当たりしてきます。
スーザンは海中で再び鮫に接近されますが、なんとかやり過ごします。
鮫のシーン緊迫感がありますね。海中映像もきれいだし。ところでこれ何映画でしたっけ。

岩に潜むスーザンの背後から突如ゾンビが出現します!
もみ合いになりますが、珊瑚でゾンビの顔を攻撃してなんとか引きはがしてスーザン逃亡!
その後、鮫がゾンビに襲い掛かり両者は格闘します。
これ有名なシーンですね。ゾンビの中の人大丈夫だったんでしょうか。
鮫のエラを攻撃したりすごいことになってます。無駄に長いし。

船上に戻ったスーザンは一行に「海中に人がいた。」と告げます。

マツールの診療所
ここではメイナード医師の研究を恐れ、付近の村人がどんどん逃げ出しているようです。
村の人いわく「ゾンビがしゃべる!」、「こわい」とのことです。

メイナード医師の家ではポーラが侵入してきたゾンビに襲われます。
この後、有名な眼球破壊シーンです。後、ポーラのシャワーサービスあります。

一方、ポール達一行はマツール付近に停泊します。
船のシャフトが鮫にやられて故障してしまったためにブライアン夫妻は何発か信号弾を撃ちます。
信号弾の報告を受けたメイナード医師はブライアンの船が停泊している湾へ向かい、彼等と出会います。
ポール達一行はメイナード医師の車で診療所へ向かいます。

感想

一言で言うと名作です。時々見たくなることがあります。
他のフルチさんの映画も同様なので、これは多分、個人的に好きなだけかと思います。
ゾンビものですが、古典的なブードゥー教がベースになっています。

展開にはまとまりがあまりなく、ヤマ場を迎えるべきシーンの後に無駄なシーンが挟まる印象です。
それでも話の芯は一応通っているので、まあわかりやすいかとは思います。

フルチさんはグロや汚い描写をこれでもかと見せたい人なので、しつこくそういったものを入れてきます。
・冒頭のゾンビ射殺シーンではわざわざはみ出した肉片を見せる。
・死亡した警官が収容では胎児のホルマリン漬けらしきものを見せる。
・鮫と格闘したゾンビの腕は鮫に食わせる。
・眼球破壊シーン。(これ凄く痛そう)
・シーツにくるまれたゾンビ射殺時にやたら血を流す。
・地中からミミズ付きの汚いゾンビが出てくる。
他にもたくさん。
グロが苦手な人は見ないほうがいいと思います。

ちょっと疑問に感じたのはアンの父親のヨットがなんでニューヨークまで戻って来られたか?という部分でした。
これはクルーがニューヨーク付近まで操縦してきてゾンビ化したということでしょうか?
ということはクルーは一人だったということかなあと思いました。

メイナードの人はイタリアン・ホラーの常連ですね。

ラストシーンは色んな意味で好きです。

ゾンビの出現理由など一切説明がありませんが、私は気にしませんでした。
演出もうまいと思いますし、大変面白くて好きな映画です。

ラストまで(ネタバレ)

メイナード医師はアンの父親のことを知っており、父はやはりマツールで死亡していたようです。
彼は生前にアンへ手紙を書いており、それが届くようにメイナード医師に依頼して息をひきとります。
この後、冒頭のシーンへつながります。

メイナードの状況説明を受けたポール達ですが、「死者が生き返る」など言われても信じられませんでした。
診療所に到着した一行ですが、メイナードが取り込み中になったため、彼の自宅へ向かうように言われます。
(メイナードはここで友人のフランクの最期を看取っています。)

メイナードの自宅に到着した4人は玄関から呼びかけますが返事がないので、中に入ります。

4人はそこでポーラの死体とそれに群がるゾンビ達と遭遇します。
いつの間にかゾンビに囲まれていましたが、何とか逃げ出します。
車で逃げている最中にゾンビをはねてしまい、木に激突してしまい、その際ポールは足を負傷します。

4人は徒歩で診療所へ向かうことにします。ブードゥーの太鼓の音に怯えながらも急ぎます。
途中で診療所のカットが入り、メイナードとルーカスの会話があります。「地が噴火すると死者が甦り人間の生き血を吸う。」
ということですが、どこかで似たようなセリフを聞いた覚えがありますね。インスパイアでしょうか。

ポールの足が限界だったので2人をおいてブライアン夫妻が先行します。
道中で400年前のスペイン人の墓を見つけるブライアン。
そのころ、アンとポールは地中から出現したゾンビに襲われ、ブライアンは駆けつけます。
スペイン人の墓からもゾンビが出現し、スーザンに襲い掛かり、退場となります。
400年前でも白骨化してないですね。汚いゾンビですが。

3人はゾンビを撃退しつつ診療所へ進みます。地中からはゾンビが続々出現します。
3人は診療所へ到着し、メイナードと合流しますが、周囲は沢山のゾンビに囲まれていました。
診療所にはメイナードと看護婦、使用人(ルーカス)がいました。6人で診療所の出入り口を塞ぎ、武器を集めて籠城します。

メイナードは友人だったフランクのゾンビに噛まれますが、ブライアンが頭部を撃つことで撃退しました。
診療所内に保管されていた死者は次々に起き上がり、今度はルーカスと看護婦が襲われます。

診療所内へもゾンビが侵入してきます。
生き残ったポール、アン、ブライアンは火炎瓶でゾンビを撃退しながら脱出します。
炎の中を歩くゾンビの中の人は大変だったでしょうね。BGMもチープでいい感じです。

道中スーザンのゾンビにブライアンが胸を噛まれ、スーザンゾンビはポールが撃ちます。
3人はヨットまでたどり着き、島から脱出します。
(シャフトが破損しているので低速移動です。

ブライアンはスーザンに噛まれた傷が元で死亡してしまいます。
ポールはブライアンの死体をアメリカまで持ち帰り、原因究明しようと提案します。
船内のラジオを点けるとニューヨークにゾンビが蔓延しているというニュースが流れます。
船室からはゾンビ化したブライアンがドアを開けようとしています。
ニューヨークは沢山のゾンビが道路を歩いています。

車が走ってます。

エンドロールが出て終了です。

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