猫が暴れる映画 ザ・キャット

ザ・キャット

人喰いペット。

制作年 2001年
制作国 デンマーク
監督 マルチン・シュミット
脚本 マリー・トロル・ラーセン
上映時間 83分
出演
リヴ・コーフィックセン
シャルロット・ムンク
マルチン・ブリグマン

だいたいのあらすじ

大学で法律を学ぶマリア(リヴ・コーフィックセン)はアテナという猫と友人のイザベラの部屋で暮らしていました。
ある晩、グンディーナと名乗る謎の老婆が彼女の家を訪れ、なんだか宗教がかった不気味な事を言っています。
どうやら部屋を間違えたようで、老婆は上階の部屋に用があるようでした。

マリアは彼氏のヘンリク(マルチン・ブリグマン)に電話しますが、彼は忙しいようでそっけない対応をされます。
アテナはスラリとした猫で可愛いです。

上階のヴェスターガードがマリアの元を訪ね、今夜は客が来ているので多少、うるさいかもしれないと断ります。
更に上階には来ないでくれと念を押されますが、アテナはドアの隙間から上の部屋へ向かってしまいます。
マリアは承知し、ドアを閉めますが、スコープから覗くとヴェスターガードはドアの前で指で何かを描くような動作を取っていました。

やがてイザベラ(シャルロット・ムンク)が戻ってきたので、祖父のヴェスターガードが来たことを伝えます。
イザベラ曰く彼等は降霊会のようなものをやっているようです。
イザベラはヘンリクが他の女性と浮気しているようだとマリアに告げ、マリアはショックを受けます。
彼女はマリアにあんな男とは別れたほうがいいと勧めます。

ヴェスターガードの部屋ではグンディーナが雌鶏の頭を切り落とし、黒魔術の儀式のようなことをやっています。
なんだか部屋の家具がゴロゴロと勝手に動き、窓が開き、空には暗雲が立ち込めます。

同時にマリア達の部屋でも天井がうるさく、ろうそくが揺らめいたり、謎の無言電話が架かったりと怪現象が起こります。
イザベラはブチ切れて祖父の部屋にうるさいと怒鳴り込もうとしますが、音は止みました。

ヴェスターガード夫妻は大変なものを呼び出してしまったと大騒ぎになり、グンディーナはそそくさと帰って行きます。
夫妻の様子をアテナがじっと見守っていました。

マリアがグースカ寝ているとどこからともなくアテナが帰ってきて彼女の顔をじっと覗きます。
イザベラは税金を滞納しているようで、差し押さえの督促状が届いたようです。

次の日、ヘンリクから電話を貰ったマリアは彼と夜8時にレストランで会うことになります。

なんだかその後、アテナはヘンな動きをしており、何だか大きくなるようです。
アテナは威嚇するような声を上げてうろつき回っています。

マリアはヘンリクと会い、ソフィと浮気してない?とズバリ尋ねますが、してないとはぐらかされます。

その頃、どこかの駐車場ではおばさんに違反切符を切られた男性が見逃してもらおうとしています。
しかしおばさんは頑として拒むので、2人は口論になりますが、姿の見えない猛獣のようなものに襲われます。
おばさんは猛獣にやられてしまい、男性も車で逃げようとしますが、車の下敷きになってしまいました。
全然、姿が映りませんがどうやら猫が大きくなったようです。しかし豹位の大きさみたいです。

マリアは食事していたレストランでカルパッチョにフォークを刺すと猫の頭に変わるという幻覚を見ます。
彼女はなんだか気分が悪くなり、トイレでゲーゲー吐いた後、ヘンリクに送ってもらうことにします。
グロあります。というかこのシーン必要だったのでしょうか?

マリア達が外でタクシーを拾おうとしているとソフィ達が現れます。
ソフィは後でヘンリクの携帯に電話するとか言っており、何だか怪しい感じです。
マリアはヘンリクが携帯を持っていることも知りませんでした。

マリア達は近くの駐車場に警察や救急車が来ているのを目撃します。
どうやら首を失った遺体を収容しているようで、車が横転しています。
現場には刑事のピーター(セレン・ピルマーク)が現場を捜査していました。
これはさっきの人達ですね。ピーターはキングダムのクロウスホイの人みたいな気がします。
そうかデンマークと言えばキングダムですね。私はヘルマー好きでした。あの小物感が。

マリアは浮気疑惑をぬぐいきれず、怒って家に帰ってしまいました。

マリアが家に帰ると、アテナがニャとか鳴くのですが、なんだか様子がヘンです。
大好きな猫缶に見向きもせず、マリアにも懐かなくなっていました。
冒頭では凄く喉を鳴らして懐いている様子でした。

マリアは論文を落としてしまっているので勉強に専念したいのですが、ヘンリクの件で手に着きません。
なぜか無意識に数字の3のような記号を書いており、PCのディスプレイにもその記号が浮かび上がります。
アテナは食事を採らなくなり、姿も見えないようです。

マリアはヘンリクの家に突撃するのですが、彼は都合が悪いと家に入れてもらえません。
どうやら来客があるようで、マリアはソフィだと思い、泣きながら帰ります。

アテナは喧嘩しているカップルを窓から眺めており、外に出ようとします。
同じころ、マリアは男女が何かに襲われる幻覚を見て、腹痛に襲われて道端にしゃがみ込んでしまいます。
ようやく治まって来たので、家に向かうと近所で事件があったようで、警察が来ています。
どうやらアテナが、わういねこたんになってしまったようです。

ピーターも現場に来ており、家に入って行くマリアを見て「あの女、前にも見たな」と気付きます。

ピーターはマリアが入って行くのを見てイザベラの部屋を訪ね、捜査の協力を依頼します。
イザベラはピーターを部屋に上げ、ピーターは一通り、話を聞きます。
どうやらヴェスターガード夫妻は不在のようで、事件はやはり先ほどの喧嘩していたカップルが被害者のようです。

マリアは自分の部屋の窓が開いており、向かいの部屋が見えることを確認します。
なぜか部屋の中の植木鉢などが倒れていました。
ピーターはマリアのことは疑っていませんでしたが、何かを知っていると判断し、連絡先を置いて帰りました。

マリアは殺人が行われた際に幻覚を見たので、不安になり降霊会と何か関係があるのかもしれないと考えます。
彼女はグンディーナ宅を訪ねてみることにします。
グンディーナは高架下に住んでいると聞いていたので、当たりを付けて探してみると廃墟然とした家はすぐ見つかりました。

声を掛けて家に足を踏み入れると、グンディーナが「悪魔よ立ち去れ」的なことを言ってナイフを手に襲い掛かってきます。
マリアは彼女を落ち着かせると降霊会の話を聞きます。
ヴェスターガードがドアの前で行っていたのはイザベラ達を守るためのものでした。
グンディーナ達は降霊会の際にバルツァベルという悪霊を呼んでしまったようで、何かに憑依したようです。
マリアが無意識に書いた3のようなサインを見せるとグンディーナは怯えて家からマリアを追い出してしまいました。
どうやら悪霊のせいで悪い猫になったようです。

マリアは家のPCでバルツァベルについて調べてみるとどうやら悪魔のようです。
アテナが机の下にいたのでナデナデするとなぜか手には血が付きますが、彼女は気づかずネットに注力します。
なんだか悪質なサイトを踏んだようで、PCが暴走しますが、電源を切っても止まりませんでした。

落ち着こうと洗面所に立ったマリアはようやく自分の手が血で汚れていることに気付きます。
なんだかアテナが怖くなった彼女は自分の部屋に鍵をかけて引き籠り、窓から外を見るとピーターが監視しているようです。

いつの間にかアテナがマリアの寝室に侵入してきて上のに乗り、マリアはうなされてしまいます。
マリアがハッと飛び起きるとアテナの目はビカーンと光り、やたらと威嚇してきます。
アテナにメンタル負けしたのか、マリアはトイレに駆け込んでゲーゲーと吐きます。
良く戻す人ですね。吐くの2回目です。

もうあんな悪い猫とは暮らせないと、マリアは生肉でアテナを釣って捕らえます。
マリアはアテナを籠に入れると獣医に行くことにし、家を出るとピーターが話しかけてきます。
彼女はピーターにこれから獣医に行く、ウザいから付き纏うなと告げ、獣医に向かいました。

マリアは獣医に泣かないしご飯食べないから安楽死させてくださいと告げ、仰天されます。
そのままアテナを獣医に押し付けて帰宅してしまいました。
これはあんまりだと思います。私の中のマリアの評価が20点から-15点位になってしまいました。

感想

これはつまらないです。
ジャケットを見ると巨大な猫が車を咥え、ヘリに囲まれてビル群を歩いているので、パニック物だと思いました。
しかし、そんなシーンは全く無く、猫も大して大きくなりません。単なるオカルト・ホラーでした。
ジャケ絵は構図的に無理があるので日本の販売会社が狙い過ぎなのだと思います。

ツッコミどころは満載なのですが、バカ映画ではなく、真面目に作られてます。
かなりシリアスな内容で映画としてもお話は置いておいてまともな作りなのでリアクションに困ります。
なんとも中途半端な作品だと思いました。

猫を使う意味もほとんど無いと思いますし、マリアも飼い主らしい所があまりありません。
後、彼氏が浮気してたとかどうでもいいエピソードで引っ張り過ぎです。

猫は可愛いのですが、登場人物は美男美女が出てきません。
普通の人が普通にシリアスな演技をしています。女性は皆さん、四角い顔してました。
ピーターはもっと活躍しそうな感じだったのですが、空気でした。

これは見なくてもいいと思います。

私はこの映画は普通です。

ラストまで(ネタバレ)

マリアが家に戻り、暫くするとイザベラが帰って来ました。
彼女はイザベラにアテナに悪魔が憑いたから獣医に置いてきたと言い、飼い主なのに何してんの?と正論で返されます。

その時、ヘンリクから電話があり説明したいことがあるからすぐそちらに行くと言われますが、却下します。
上階から物音が聞こえたのでイザベラはヴェスターガードが戻ったと上へ向かい、マリアも同行します。
マリアは上階でなんとアテナがウロウロしているのを見て隠れます。

ピーターは獣医が殺害された現場で遺体を収容しており、マリアが置いていった籠を見付けます。

イザベラとマリアは別室に鍵をかけて閉じこもります。
武器を探そうと電灯のスイッチを入れるとヴェスターガード夫妻の遺体を発見します。
彼等は恐らく降霊会直後にアテナに殺害された模様で、イザベラはもうイヤと言い、マリアを置いて出て行きました。
マリアはスタンドを構えて侵入者に備え、誰か入って来たので殴りつけます。
それはピーターで頭に傷を負いましたが、何とか無事でした。

ピーターは遺体を見て流石にマリアを連行しようとしますが、婦人警官が豹のようなものに襲われ、彼等は辺りを警戒します。
相変わらず一瞬しか出ないのですが、やっぱりちょっと大きくなった猫ですね。

マリア達が部屋に戻ろうとしているとなぜかヘンリクが現れました。
どうやらヘンリクの浮気相手はイザベラだったようで、ショックを受けたマリアは独りで部屋に戻ります。
本当にどうでもいい話です。

刑事の一人はアテナを発見し、只の猫だとピーターに報告した直後に襲われてしまいます。
ピーターはそれを見て驚きの表情を浮かべ、彼も猫に襲われます。
さっきから1ミリも猫は映りませんでしたが、メスライオンみたいなのが一瞬だけ映りました。

イザベラとヘンリクはマリアの部屋に戻って来てイチャコラし始めます。
マリアが耐え切れずに外にでようとするとメスライオンみたいなアテナが部屋に入って来ます。
マリアは身を隠しますが、ヘンリクはアテナに襲われて死亡します。
イザベラは逃げようとしている最中にアテナと遭遇します。
これを見て、猫が今まで映らなかった理由が良く分かりました。自信無かったみたいです。納得です。

イザベラはアテナに襲われそうになりますが、マリアが「お止め!」と怒鳴るとなぜかアテナは姿を消しました。
マリアはイザベラのいる暖炉の部屋に現れると火かき棒を手に取ります。
彼女はデカいアテナを見付けると火かき棒をブスブス刺し、アテナはガラス戸破って隣の部屋に飛び込みます。

アテナは普通サイズに戻り、瀕死でしたが、まだ生きています。
イザベラはあんたの猫だから早く殺せとギャーギャー騒ぎ、マリアはアテナの心臓を取り出します。
マリアはこいつは不死身だからと言いますが、イザベラは心臓をミキサーに入れればいいと言い出します。
マリアは心臓をミキサーにかけ、ゴクゴクと飲み干し、改めてイザベルに襲い掛かるのでした。
悪魔はマリアに憑依したようです。なんだか最後まで残念な感じでした。

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