死霊のはらわた
森の山小屋で本を見つけてひどい目に遭う話
制作年 | 1981年 |
制作国 | アメリカ |
監督 | サム・ライミ |
脚本 | サム・ライミ |
上映時間 | 85分 |
出演 |
ブルース・キャンベル |
エレン・サンドワイズ |
ベッツィ・ベイカー |
だいたいのあらすじ
どこかの山の奥で姿の見えないものがワーワー言ってました。
なんだか池とか不気味な雰囲気です。
5人の若者が休暇を利用して山奥の山荘に車でやって来ました。
今回山荘を借りたスコット(ハル・デルリッチ)と恋人のシェリー(サラ・ヨーク)、スコットの友人アッシュ(ブルース・キャンベル)、
アッシュの姉シェリル(エレン・サンドワイズ)、アッシュの恋人のリンダ(ベッツィ・ベイカー)です。
彼等は道中で対向車に激突しそうになったり、橋から落ちそうになったりしますが、えっちらおっちらと進み山荘に到着しました。
山荘のあまりのボロさにスコット以外はちょっと引きます。
入り口にはブランコが揺れて壁をゴンゴン叩いていますが、スコットが鍵を取ると揺れは止まります。
山荘の中はボロいですが電気は通っており、飾りのような物が天井から沢山ぶら下がっていました。
山荘というより小屋なのですが、いい雰囲気あります。
お絵描きが趣味のシェリルが時計の絵を描いていると森の奥から誘うような声が聞こえ、何かが憑りついたように自動書記させられます。
それは地下室の蓋の絵のようで、ふと気づくと地下室の蓋がドンドンと内側から叩かれており、シェリルは怯えてしまいました。
ここの霊は基本的にポルターガイストのように脅かすスタイルのようです。
5人が乾杯をくつろいでいると、突然バターンと音を立てて地下室の蓋が開きます。
これは何かあるとスコットが地下室を見に行くことになり、後にアッシュが続きます。
地下室は天井から水が滴っており、奥に小部屋の扉があります。
小部屋にはライフルや日用品に混じって不気味な書物や魔装具のような物とテープレコーダーがありました。
スコットとアッシュは地下からそれらを持ち出し、上の部屋に運びます。
皆が集まり、テープの内容を聞くとここの元住人のものらしき声が再生されます。
元住人はオカルト的な研究を行っていたようで謎の書物は「死者の本」と言われているもので、人の皮と血で作成されたようです。
「死者の本」の呪文を唱えると死霊が甦り、人間に憑りつくということが語られていました。
シェリルは途中でテープを止めますが、スコットが呪文を読み上げている部分を再生してしまいます。
すると山荘の周辺の森の中では土がモコモコと盛り上がり、何かが動く気配がしました。
同時に山荘の窓ガラスを突き破って木の枝が飛び込んできました。
この件でシェリルとスコットの仲は険悪になりました。
アッシュはどさくさに紛れてリンダにルーペ付きのネックレスをプレゼントします。
どうやら悪霊が復活したようで、山荘の中を覗き込んでいます。
そしてシェリルの部屋を覗くと彼女を「こっちへ来い」と誘い出します。
リンダは素敵!と喜んでますが、私にはあまり素敵に見えないです。サービスあります。
シェリルは声に誘われて森へ入り込みます。
すると森の奥から何かが走ってきて、憐れなシェリルは木の蔓に手足を拘束され、触手プレイのようなものを仕掛けられます。
彼女は枝に散々意地悪をされ、蔦が緩んだ隙に冗談じゃないとパンツ丸出しでスタコラ逃げ出します。
この走り寄る接近シーンは怖くていい演出だと思います。
サービスあります。女性陣だとシェリルが一番可愛いと思うのですが、扱いひどいですね。
後ろからは木をバキバキ折りながら姿の見えない悪霊が追いかけてきます。
シェリルはヒーコラ逃げ出し、アッシュに助けられて何とか山荘に飛び込みます。
シェリルの熱演のせいか凄くスリリングで怖いのですが、ドアが閉まるとスルスルと退いていく悪霊に笑ってしまいました。
山荘でシェリルは森に襲われた話を皆にしますが、当然誰も信用してくれませんでした。
シェリルは「もう嫌だから断固としてここを出る!」と強く主張したので、アッシュが街まで送ることになります。
アッシュとシェリルは車に乗り込みやっとこさ動いたので出発します。
しかし橋が落ちていたため、街には戻れなかったので、2人は回れ右して山荘に帰ります。
アッシュはテープレコーダーの続きをイヤフォンで聞いてみます。
どうやら、元住人の妻にも悪霊が憑りついてしまったようで、悪霊を祓うには身体をバラバラにするしかないようです。
シェリーとリンダはトランプの数当て遊びをしていましたが、全然カードを見ていないシェリルが割り込み、数をガンガン当てていきます。
振り返ったシェリルは既に人間ではなくなっていました。
怖すぎて夢に出そうです。それにしてもシェリルは扱い酷いです。
シェリルは空中浮遊しながら、アッシュ達にお前ら全員殺す宣言をしてからバッタリ倒れてしまいました。
彼女はやはり悪霊に憑りつかれてしまったようで、別人の声で喋っています。
恐る恐るアッシュとリンダがシェリルに近付くと彼女はお絵描き用の鉛筆をリンダの足首にザックリ刺してグリグリします。
アッシュが慌ててシェリルを取り押さえようとしますが、人間とは思えない怪力で棚に弾き飛ばされ、倒れた棚の下敷きになってしまいます。
シェリルは尚もモーレツに暴れるのですが、スコットが斧の柄で殴りつけ、倒れた所を何とか地下室に蹴り飛ばします。
スコットは自身を地下室の蓋の重石にしながら、鎖と鍵を掛けてシェリルを地下室に閉じ込めました。
怖いんですが、ちょっと笑ってしまいました。シェリルは凄い勢いで肌がボロボロになってます。
リンダは足の深手のせいでぐったりと寝てしまいます。
残されたスコット達は暖炉に集まり、夜明けを待って脱出することにしました。
その間もずっと地下室の隙間から覗き込むシェリルが唸り声を上げて威嚇し、煽るので皆は神経をすり減らします。
今度は窓際で悪霊に襲われたシェリーが悪霊化してしまいます。
彼女はスコットに爪を立てて襲い掛かりますが、暖炉に突き飛ばされます。
シェリーは暖炉で燃えながら凄い悲鳴を上げたので、スコットは思わずシェリーを暖炉から救出してしまいます。
彼女はこれ幸いと改めてスコットに襲い掛かり、地下室の蓋の下ではシェリルが騒ぐので大混乱に陥ります。
アッシュはシェリーを止めようとしますが、またしても棚に突き飛ばされて下敷きになります。
スコットとシェリーは揉み合いになり、スコットがナイフでシェリーの手首を深く切りつけます。
シェリーは自分で自分の手首を齧って切断してしまい、アッシュは斧を構えますが、その様子を見て怯みます。
スコットはシェリーの持っていた魔装具のようなナイフを背中に刺して止めを刺します。
シェリーは口と手首から血とミルクのような物を出してぐったりしました。
グロいです。アッシュはいつもヘタレです。この間も地下のシェリルは休まずバッタンバッタンと騒いでます。騒ぎ職人です。
しかしシェリーはまだ動いており、しつこくスコットに襲い掛かったので、動けないアッシュからスコットが斧を奪います。
スコットはシェリーの手足を切断してバラバラにし、頭も切断してしまいました。
グロいです。この間もシェリルは休まず隙間からギャーギャー言ってます。
シェリーも、まだピクピク動いてます。大騒ぎです。
スコットとアッシュはバラバラにしたシェリーをうんしょうんしょと運び、庭先に穴を掘って埋葬しました。
スコットはリンダが動けないにも関わらず、迂回路を探すと言い、アッシュ達を見捨てて出て行ってしまいました。
取り残されたアッシュはシェリルにお前ら皆地下室行きだ!と煽られながらリンダの様子を見守ります。
リンダは足の傷が蜘蛛の巣のように広がり、悪霊化してしまいます。
彼女はイヒヒイヒヒとイヤな笑い声を出しながらアッシュに近付いてきます。
アッシュは思わず逃げ出し、玄関まで後ずさるとそこに傷だらけのスコットが抱きついてきました。
忙しい映画ですね。色んなことが一辺に起こります。
アッシュは傷だらけのスコットをソファに運び、その様子を見てリンダはイヒヒイヒヒと笑うのでした。
リンダは笑いで相手をイラつかせるタイプのようです。
アッシュはスコットに迂回路はあったか尋ねます。
スコットは細い道を見付けたらしいですが、森の木に襲われて通れなかったと答えます。
その様子を見てシェリルは地下から口真似をして煽り、リンダはケラケラ笑うので、アッシュの我慢は限界に達します。
アッシュはリンダを何度も殴りつけますが、彼女は笑い続けるので、どうにも困ってしまったアッシュはライフルでリンダを射殺しようとします。
何とその時、リンダが元に戻ったのでアッシュは彼女を抱きしめます。
すると何ということでしょう、シェリルも床下から正気に戻ったから鎖を外して!とシェリルの声で話します。
アッシュは恐る恐る地下室を覗き込みますが、悪霊化したシェリルの腕が伸びてきて首を絞められます。
彼はなんとか腕を振り払って拘束から抜け出します。
悪霊はアッシュをからかって遊んでいるようで、リンダも悪霊に戻ってケラケラ笑っています。
リンダは歌スキルも持っていたようで、人をイラつかせる歌を歌いだします。
困ったアッシュはギャーギャーわめくリンダの足を持って庭に引きずり出しました。
感想
これは面白いです。名作だと思います。
コメディーよりの面白さなのですが、メイクや演出が上手いので怖いです。
ホラーと笑いは紙一重の部分のうまいツボを押さえているのではないかと思います。
狙っているのかいないのかわかりませんが、怖いシーンの後に笑えるシーンが差し込まれるのでやられます。
お話自体がツッコミどころのような気もしていて、何で悪霊本体は小屋に入らないの?などの謎はありますが、それほど違和感は感じないです。
展開が速くて忙しい映画です。ジェットコースタームービーとはこういうものですね。←多分、違います。
兎に角、悪霊さんは働き者で何か新たな問題が起こってもお構いなしに煽ってくるので神経がやられると思います。
特にシェリルはバタンバタン、ギャーギャー、ゲラゲラと隙間から働き詰めです。
シェリルに関しては姉なのか妹なのかはっきりさせて欲しいと思いましたが、大人っぽいので多分姉でしょう。
これはアッシュの成長物語でもあり、スコットにからかわれるほどのヘタレでビビりだった彼が困難を乗り越えていく展開は涙なしには見られません。
役者さんは皆、力一杯演技していて凄く良かったです。
メイクは凄いですが、汚い系は無いので頑張ってくれたのだと思います。
グロ系が凄いのでホラー映画に理解のないご家族での鑑賞は難しいと思います。
私はこの映画はかなり好きです。名作だと思います。
ラストまで(ネタバレ)
アッシュは山荘に戻り、スコットに朝になったら帰ろうと励ましますが、彼は死亡していました。
そしていつの間にか侵入したリンダが魔装具の短剣を手に笑いながらアッシュを刺します。
アッシュはリンダともみ合いになりますが、シェリルに足を押さられるなどの連携プレーを繰り出してくる相手に劣勢になります。
そもそもこの人達は凄い怪力です。
アッシュはリンダの背中に短剣を回し、上手いことそのまま倒して背中に短剣を突き刺します。
リンダはようやくミルクのような物を吐き出して動かなくなります。
アッシュは彼女を納屋へと引き摺って行き、鎖でがっちりと固定するとチェーンソーを使って解体しようとしますが、彼女の胸に光るルーペ付きのネックレスを見て思いとどまってしまいました。
アッシュは庭先にリンダを埋葬しようと穴を掘り、その間ずっとリンダは死んだふりをしていました。
山荘の中ではシェリルが金具を壊して地下から脱出していました。
アッシュはリンダに土をかけて埋めてしまいますが、埋める前に外したネックレスを取ろうとすると土の中からリンダが出現します。
彼女は爪を立ててアッシュの脛の肉を抉り、這い出て来ます。
なんとか手を引きはがしたアッシュは棒切れでリンダを嫌というほど殴りつけ、飛び込んできた彼女の首をスコップで切断します。
アッシュはリンダの首から出た血液をたっぷりと浴びせられます。
ここ有名シーンですね。リンダはまだ動いてます。
山荘に戻ったアッシュは地下の面倒臭い女が脱出したことを悟ります。
案の定、襲い掛かって来たシェリルをライフルで撃ちますが、全く効果がありません。
アッシュは何とかシェリルを締め出すとライフルの弾を求めて地下へ下りて行きます。
リンダを殺すのはためらうのに肉親は即座に射殺する鬼畜のアッシュでした。
アッシュは疲れて来たのか「弾はどこなんだ?」と独り言のような説明台詞を吐いてしまっています。
地下でも映写機や手巻きレコードプレイヤーで散々嫌がらせを受けたアッシュですが、何とか弾を補充し上に戻ります。
アッシュはシェリルに襲われ、何とか追い払いますが、今度はスコットが襲い掛かってきます。
彼はスコットを目つぶし&傷口を塞いでいる枝を抜いて大量の血を流す攻撃で倒します。
アッシュは「死者の書」が暖炉で燃えそうになっているのとスコットの身体から上がる煙に関連性を見出します。
そこにドアをぶち破ったシェリルが掴みかかってきました。
アッシュはシェリルを引き剥がしますが、倒れた所でスコットに足を掴まれます。
彼は二人掛りで攻撃を受け、やりたい放題されますが、何とかリンダのネックレスを使って「死者の書」を引き寄せます。
そして「死者の書」を力一杯暖炉に投げ込むと悪霊化した2人の動きが止まります。
彼等は溶けだし、朽ち果ててしまいました。
ここ粘土アニメ使ってます。
一人生き残ったアッシュは朝日の中、山荘を出てふらふらと歩きだします。
そんな彼の背後から再び悪霊が遅い、アッシュは悲鳴を上げます。
エンドロールで終了です。
中盤までが凄すぎてラスト付近は失速したような錯覚を覚えてしまう位の凄い内容でした。アッシュは無事なのでしょうか?続編に続きます。