便利屋万能説 カオス

カオス

私を誘拐して下さい。

制作年 2000年
制作国 日本
監督 中田秀夫
脚本 斎藤久志
原作 歌野晶午
上映時間 104分
出演
中谷美紀
萩原聖人
光石研

だいたいのあらすじ

商事会社社長の小宮山隆幸(光石研)は妻の佐織里(中谷美紀)とレストランで昼食を済ませたのですが、会計の間に妻の姿が消えていました。
その場は気にせずに自社へ戻ったものの、その後オフィスに「妻を預かった」という脅迫電話がありました。
犯人(萩原聖人)は佐織里をダイニングテーブルの脚に床に転がした状態で拘束し、3千万円を要求しました。
彼女の声を聞いた隆幸は狂言では無いと知り、警察に通報しました。

浜口警部(國村隼)等3名が隆幸から事情を聞き、小宮山家に張り込む事になりました。
翌日、犯人は伝言ダイヤルを指定して会社に連絡し、隆幸は会社からの電話でその旨を伝えられました。
隆幸は伝言を聞き、現金を手にして警察官が運転するタクシーで指示された高速道路のPAに向かいました。
犯人の条件は警察官が運転しているタクシーで現れたら佐織里を殺すというものでした。

犯人は栗原冴子(山村美智子)という女性に電話して「隆幸が約束を破ったから佐織里は殺す。あんたの息子も預かってるから、家の中の現金をかき集めて阿佐ヶ谷駅に持って来い」と告げました。
家の前から冴子の様子を窺っていた犯人は彼女の後を尾け、駅のホームで冴子のバッグを奪い、発車する電車に飛び乗って去りました。
犯人は別の駅に停めてあった車に乗り、現金を確認してから去りました。

実は犯人は黒田五郎という便利屋の男で、この誘拐は100万円の報酬で佐織里自身から依頼されたものだったのです。
佐織里が潜伏するための場所も彼女の友人の相馬るみという海外旅行に出ていて熱帯魚の世話を頼まれていたという家を提供されました。
仕方なく黒田は彼女の依頼に答えることになり、まずは佐織里をるみの家に送って行きました。
黒田は「カーテンを閉め切って電気は使うな。熱帯魚の世話はするな。チャイムや電話には応答するな。戸締りは万全に」と佐織里がこの部屋に居たという痕跡を残さないために細かく指示しました。

黒田は他にもシャワーや入浴を禁じ、食料は自分が買って来た物以外は食べるなと指示しました。
更に服は昼食の際の物に着替えさせ、ロープの痕を付けるために本当に彼女を縛りました。
黒田は縛り終えると乱暴に彼女を倒してレイプする素振りを見せて怯えさせ、その状態で1回目の脅迫電話を架けました。
出入りに関しては電話のベルを3回鳴らして切るのを2回繰り返す事を合図として鍵を開けてもらうようにしました。
ここまでは黒田は素人とは思えないほど巧妙に計画を運んで来たのですが、大きく計算が狂う事態が発生しました。

その晩、黒田が電話の合図をして部屋に入って来ると佐織里はこちらに背を向けて縛られた状態で死亡していました。
直後に固定電話に架って来た電話に不用意にも黒田は出てしまいました。
相手の男は誘拐犯である黒田を脅し、死体を処分するように指示し、黒田は従うしかありませんでした。
黒田は山中に車を走らせ、佐織里の死体を埋めました。

翌日、ありったけの新聞を手に黒田が帰宅すると息子のノボルが虐めに遭ったと家の前で泣いていました。
実はノボルは別居中の妻・美佐子(菜木のり子)が育てており、美佐子から電話があったので黒田はノボルを家まで送ることになりました。
ノボルを送って行く道中で黒田は駅の付近を歩いている佐織里を目撃して車を降りたのですが、交差点で停止中だったので後続車の運転手に殴られてKOされ、見失ってしまいました。
その夜、黒田は佐織里の遺体を掘り起こし、間違いなく埋まっている事を確認しました。
腐敗の所為でしょうか?顔が別人なような…

浜口は事件に進展が無いので隆幸に公開捜査に踏み切るように説得したのですが、拒否されました。
また、浜口は今回の事件が身代金目的では無く、佐織里の殺害にあったのではないかと考えてもいるようでした。
佐織里の事は経験上諦めた方がいいと説得され、仕方なく隆幸は公開捜査を許可しました。
一方、黒田は警察関係者に成りすまして相馬るみの物件を扱っている不動産屋(諏訪太朗)を訪ね、契約書を閲覧したのですが、そこはモデル事務所の社宅として使用されていました。
不動産屋によれば問題の303号室には津島さと美という女性が住んでおり、隣の302が相馬の部屋でした。

そして黒田はTVで佐織里の公開捜査が始まった事を知ったのですが、佐織里(新恵みどり)は黒田の知っている人物とは全くの別人でした。
黒田はモデル事務所を訪ね、相馬るみ(夏生ゆうな)の話を聞いたのですが、さと美は枕営業の噂があってから仕事はあまりしていないそうで、るみは彼氏と同棲しているので社宅には帰っていないそうです。
そして黒田は過去に佐織里を名乗っていた女性に水道が壊れていた際に呼ばれていた事を思い出しました。

実は黒田の前に現れた佐織里の正体は津島さと美であり、彼女は隆幸の愛人でした。
さと美はホテルで仮眠を取ると告げて会社を出た隆幸を訪ね、「絶対に見つからないし、必ずうまくいく」と豪語していました。
しかし隆幸は黒田が独断で冴子から500万回収した事を知り、不安を感じていました。
元々細かいシナリオは黒田が書いてましたし、不測の事態でも損が無いようにお金を回収している辺りが知恵が回るんでしょうね。

実は今回の事件の真相は佐織里が隆幸とさと美の不倫現場に刃物を持って乗り込んできた事を発端としていました。
隆幸は佐織里を絞殺し、自首するつもりだったのですが、さと美が今回の狂言誘拐を思いついて黒田をハメて死体の処分をさせることを思いついたのでした。
さと美の狂気がコワ過ぎです。
さと美は「主人の愛を確かめたいから誘拐して脅迫電話を架けてください」と黒田に依頼したのでした。

感想

これは普通です。
狂言誘拐していたら偉いことになるという話で、やるかやられるか的なゲーム要素もあるみたい。
前半はなかなか面白いのですが、段々と失速してる感じです。
というのも登場人物の心理状態がイマイチ伝わりにくいからではないかと思っています。
ちょっとお話はめまいに似てました。

特にさと美は何がしたいのか全く分からず、サイコだから仕方ないとはならないと思います。
サイコにはサイコのロジックがあるはずなのですが、彼女は単なる目先の計算高いだけの女に見えます。
その割には異常行動をとるのでなんだか良く分かりません。
隆幸に至っては「この人本当に経営者なの?」って感じますし、なにより黒田も最終的に何がしたいのか?
黒田が別居(離婚?)している設定とか必要だったんでしょうか?私にはつながりが無かったように思えましたが。

さと美の人はサイコ系得意なので頑張ってる気がするんですが、そういう訳でノレないです。
あと映像的に面白いシーンがあんまり無いと感じたのと、サスペンスちっくなドキドキ感が無かった気がします。
印象的だったのが、ナイフに顔映ってるシーン位でしょうか。

つまらなくは無かったですが、微妙に感じられました。

ラストまでのあらすじ

黒田はとうとう依頼人の正体を突き止め、下着モデルの仕事帰りのさと美に声を掛けました。
一目散に逃げ出した彼女でしたが、公園で黒田にタックルで倒されてしまいケラケラと呆けたように笑います。
黒田はブチ切れるのですが、さと美は電話の件も自分であると白状し、「私の事見つけると思ってた」といけしゃあしゃあと話します。
さと美は「もう一度会えると思ってた」等とぬけぬけと笑いながら話し、怒りの黒田は彼女を使って隆幸に復讐することに決めました。

黒田はさと美に佐織里が殺害された際に着用していた服を着せ、佐織里風のメイクをさせて隆幸を呼び出させました。
さと美は隆幸に「便利屋にバレた」と打ち明け、三千万要求されたことを伝えます。
「俺たちの運もこれまで」とへたり込む隆幸に「私はあなたと一緒ならどうなってもいい」と手を差し伸べるさと美でした。
さと美はそういうタイプでは無く、財産込みで隆幸を愛していたのだと思います。
そして二人の密会現場を浜口達が監視していました。

さと美は三千万用意した隆幸を佐織里殺害現場の303号室へと案内しました。
黒田はそこに電話を架け、電話に出た隆幸にさと美にお金の入ったバッグを持たせてベランダ越しに302に移動させるよう指示しました。
隆幸はさと美にバッグとナイフを渡し、便利屋が接触して来たら刺せと指示しました。
黒田は引き続いてバスルームに向かうよう隆幸に指示し、そこで隆幸が見たものは佐織里の遺体でした。
隆幸がゲーゲー吐いていると二人を尾行していた浜口達が突入して来て遺体を発見しました。

さと美はバッグを持って黒田が待機していた車へ走り、黒田はさと美を乗せて「これで俺は賭けに勝った」と宣言して車を出しました。
その夜、どこかの田舎道で車中泊した黒田達でしたが、元々美しいさと美に魅かれていた黒田は朝っぱらから激しくカーセックスしてしまいました。
しかし彼女のポッケにナイフを発見した黒田は非難するような目を向け、さと美は否定するように首を横に振ります。

前方からパトカーが接近して来たのでさと美は車から降り、ナイフを投げて絶叫しながら道路横の林に飛び込みました。
黒田はそれを追い掛け、やがて道は崖で行き止まりとなりました。
「俺も全部捨てて来たから逃げなくていい」的な事を言う黒田の手を引き、さと美は「じゃあ一緒に行こう」と崖に走り出し、手が放れたので、狂ったように笑いながら崖下にダイブしてしまいました。
黒田は呆然と崖下の川を見つめていました。

エンドロールで終了です。

さと美が何考えてるのかサッパリ分からなかったです。
さと美がどっちに転ぶか?って部分があるのはわかるのですが、結局心理が分からないので…
特典はメイキングとか入ってました。

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