おまけ系です 水霊縁起録

水霊縁起録

水霊のおまけに入ってたサイドストーリーです。

制作年 2006年
制作国 日本
監督 山本清史
脚本 山本清史/坂牧良太
原作 田中啓文
上映時間 100分
出演
鈴木美生
山崎真実
矢沢心

収録話

水霊はこちらです。

映画水霊のネタバレ紹介と感想です。

弘美

矢沢弘美(鈴木美生)は都内のJKギャルでしたが、ミズチの呪いにやられていたそうです。
彼女は授業中に渚由美(星井七瀬)達の前でシャーペンで目を刺して自殺したのですが、一体何を見ていたのでしょう?

ある日、ビルの屋上に呼び出された弘美は彼氏から「他に好きな人できたから別れてね」と一方的に別れを告げられました。
やけくそになった弘美は町でおじさんに引っ掛かり、そのまま調布にあるホテルに行き、お酒を呑み過ぎて泥酔しました。
どうやらHなことはされなかったようなので、水をゴクゴク飲んでそのまま帰り支度を始めました。
髪の毛を乾かしていると過去に自分の虐めで自殺したアケミの亡霊を目撃しました。

それから弘美はアケミの霊をちょいちょい目撃するようになったようで、とうとう授業中に自殺してしまいました。

だからどうしたという感じでした。水の件は後でわかるんですよね?

杜川(柳ユーレイ)の助手をしていた目黒彩(矢沢心)は実は杜川に好意を抱いていたそうです。
彼の死後に戸隠響子(井川遥)の調査に協力しつつも失意の日々を送っていた彼女にも異変が起きたようでした。

彩は友人の件を相談しに来た由美に響子を紹介していました。
数日後、響子の同僚・志度(松尾政寿)から封筒が届いたのですが、中には手紙も何も無く、響子に渡した杜川の手帳だけが入っていました。
それ以来、近視だった彩は眼鏡無しでも物がハッキリ見えるようになったのですが、同時に視界の隅に黒い顔の少女を見たりするようになります。
眼科医にも行ったのですが、いつの間にか眼鏡のレンズを外していたようで、元々視力が低かったのか医師には判別出来ず、相手にされませんでした。

彩は元来近視では無かったのですが、段々と目が悪くなって行ったそうで、その際にはぼやけた視界の隅に何かを見てしまうのではないかと不安を感じていたそうです。
急に視力が戻った彼女は居もしない同僚(河井青葉)に話し掛けられたり、無意識の内に手に持っている物が変わったりと現実と幻覚の区別がつかなくなってきました。
その後、職場に居た彩は突然失明してしまいました。

同僚は急いで救急車を呼んだのですが、彼女にも異変が起きたようで電話は途切れていました。

この呪いって自分の恐れているものを見せるとかいう設定なのでしょうか?
だとすると弘美の件は良く分からない気が…

美里

由美の友人・野田美里(山崎真実)は従妹である箕浦志保(神農幸)が入水自殺して以来、髪の毛が抜けるという怪異に見舞われていました。

美里は志保の美しい髪に憧れており、志保と元々仲が良かった美里はちょいちょい彼女のアパートに遊びに行っていました。
ある日、美里は志保から自分達が住んでいる昭島市は地下水を水源にしていると聞きました。
美里達の住んでいる地区は東京西という部分に合致していたようです。
その後、美里は多摩川の河川敷に志保と遊びに来ていたのですが、様子のおかしかった志保は美里が飲み物を買いに行っている間に入水自殺を遂げました。
こんな浅い流れの無い川で飛び降りもせずにいきなり死ぬのは難しい気がしますが。

それからというもの美里は髪が抜けるようになり、同時に水中で死んでいく志保の幻覚を見るようになりました。
ある日、美里は由美と一緒に来ていた喫茶店のトイレで志保が不倫していたという噂を耳にしました。
その後、彼女は自殺を遂げます。

結局、志保が何で死んだのか良く分かりませんでした。

有紗

冒頭でいきなり、「死に水飲むと罪悪感に襲われる」という説明があります。
そういうことだったみたいですが、今更ナレーションで説明されても。
こういうのって恐らく響子が積み上げていくと面白いと思うのですが…

響子の同僚であり、調査に協力していた仲根次郎(金倉浩裕)は公園で箸で両目を突いて自殺した男性の取材をしていました。
彼の妹である仲根有紗(小島由利絵)は高校の写真部に所属しており、放課後に目に包帯を巻いた女性の飛び降り自殺に遭遇してその写真を撮影しました。
有紗は演技がイマイチな気が…
有紗はその写真を撮影して以来、同じ部の女子からは「あいつよくやるよねー、気味悪いよねー」等と陰口を叩かれていました。
また、写真を現像していた有紗は暗室の中で猫の鳴き声を聞いたような気がしました。

その夜、有紗と共に公園で自殺した男性のTVニュースを見ていた次郎は同僚の響子から「死に水という飲むと呪われる水があり、心の中の罪悪感が見えてしまう」と聞いたと話しました。
本編内では響子はそんな話はしておらず、それに気付いた様子も無かったですが…
その話を聞いて部屋に引き揚げた有紗は自殺した女性が目に包帯を巻いていたことから「この人もそうだったのかな…」と考えました。
それはそうとして現像した自殺女性の写真にはフィルムには写りこんでいない遺体の側にしゃがむ猫の姿がありました。

直後に猫の鳴き声を聞いた有紗は兄に助けを求めたのですが、家の中は無人になっており、至る所に水溜まりが出来ていました。
全自動洗濯機のホースからは肉塊のような物が出て来て、洗濯機の中には何かがあったので有紗は絶叫しました。
恐らく猫では…
その後、次郎が帰宅すると有紗は洗濯機のホースから水をゴクゴクと呑んでいました。

なんのこっちゃという感じでした。設定説明エピソードのようでした。

由美

渚由美(星井七瀬)には霊感が備わっており、その件で力になってくれた杜川に想いを寄せていたようです。
彩は「あの子ばっかり可愛がって!」と嫉妬してたと思ってたんですが、由美には恋愛感情があった模様です。

実は本編で響子の新聞社を飛び出した後に由美は杜川の背中を追い掛けていました。
それはいいんですがエレベーターでは響子の背後に何を見たんでしょう。
いつの間にか彼女は杜川が宮崎に出発する前夜の研究室にワープしていたのですが、そこで彩が書類を拾う際に杜川と手が触れあったのでドギマギし、キスをしようとしている場面を見ます。
由美も可愛いですが、子供っぽいので大人な彩の方がいいですよね。
由美は思わず「ダメ!」と叫ぶのですが、するとザ・ワールドを発動させたように時間が停まりました。
そういえばこの呪いはパール・ジャムで解けないでしょうか。

今度はいきなり自宅にワープし、由美は二階に上がって行く杜川を追い掛けました。
すると火災発生中のように煙に覆われた見知らぬ地下施設にワープしました。
いつの間にか煙は晴れ、コンクリ打ちっぱなしの壁で天井には配管、壁には計器類という謎の施設の様子が分かって来たのですが、まだ時間が停止しているらいく、職員っぽい男性は階段に上がる途中で動きを止めていました。
上に上がってみると、ここは宮崎県の衛生研究所だと判明しました。

誰もが停止している中、動いている人を発見したので思い切って声を掛けたのですが、どうやら由美は違う次元に居るらしく相手に見えないようでガン無視されました。
そんな由美の目の前を竹中という職員に案内されて杜川が入館していました。
後を追ってみると杜川は竹中から、戦後に現れた泉の話を聞いており、その水を飲んだ全員が発狂して死んだということでした。

皆その泉の水を「うまい、うまい」とラーメンショップのように形容して飲んでいたそうですが、竹中は「生水にはみずちという蛇が宿るから飲むな」と祖母から言われたので飲まなかったそうです。
また、その泉には大きな岩があり、その岩を動かすと世界が滅びると言われていたということです。
その話を聞いた杜川は「その泉は黄泉!蛇は伊邪那美!人類は滅亡する!」と歓喜していました。
な、なんだってー

そしてその直後に由美は響子に発見されていました。

死に水が罪悪感に作用するとかもう関係無いですよね。
単なる設定説明パートじゃないですか?これ?

杜川

杜川は壁に張り紙がびっしりと貼られたテントの一室でゴソゴソと書き物をしていました。
それは古事記にある伊邪那岐が黄泉の国の伊邪那美を迎えに行く際のエピソードでクライマックスの「私は1日千人人間殺すから」と宣言する部分のようでした。
こんな誰でも知ってるような話をなぜこの教授は必死にメモしてるんでしょうか?

杜川はホームレス化しているようで、公園の水をペットボトルに入れてゴクゴクと呑んでいました。
こじえもんを思い出しました。
彼は少女巣趣味だったらしく手帳に挟んだ由美の写真をスリスリしていたのですが、突然セーラー服姿の由美が彼のテントに出現しました。
由美の制服をわざわざ冬服に変えてる所が芸コマですが、もっと力入れる所沢山あると思います。
由美は彼に手かざしをして謎頭痛を発生させて消え、杜川の手の中には眼球が残されました。

杜川は発狂したようにテントの中で暴れ、水をゴクゴク飲みまくるのですが、自分の喉の奥からビニールに包まれたメモを発見し、そこには「しにみすをのむな」と書いてありました。
筆跡は自分のものでしたが、無意識の内に書いたのか杜川には覚えが無く、他のノートにもびっしりと同様の書き込みがありました。
彼は「そっかーみずちだったんだ。東京の地下にもあるんだー」と納得してケタケタと笑い、最期に手帳にびっしりと「しにみすをのむな」の文字を残しました。

たった二言三言劇中で口頭で説明した内容で納得されても困りますし、もっと具体的なメモを残せばいいんじゃないかと思いました。

感想

これはイマイチです。
これを観てますます本編がダメだったと再認識しました。
ここでようやく補足的に「犠牲者が何を見たか」と語られるのですが、「罪悪感」の設定は誰がどのように調べたんでしょうか?
ダム付近で崖崩れが起こって神社が出て来たのが原因だったようなのですが、誰もその神社を調べていない以上、何が何だか分かりません。
結局、根本的な疑問は何も解決しませんでしたが、解決の有無よりも犠牲者が死んでいく根本的な原因をもっと明確にして欲しかったです。

時間軸はこうなるようです。
1.「杜川」でMMR的な話、一部「由美」とリンク
2.「弘美」と「美里」内の志保の入水自殺(前後関係は不明ですが、本編の前)
3.本編での杜川の葬儀
4.「美里」
5.本編での美里の死とリンク
6.「彩」の冒頭で由美が彩を訪ねる
7.本編で由美が響子を訪問
8.「有紗」が本編と同時進行(恐らく後半)
9.「由美が本編での由美の死とリンク
10.本編終了
11.「彩」で志度の手帳を受け取った後の展開

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