本の探偵の話 ナインスゲート

ナインスゲート

本の鑑定してたらひどい目に遭う話

制作年 1999年
制作国 フランス/スペイン/アメリカ
監督 ロマン・ポランスキー
脚本 ロマン・ポランスキー/エンリケ・ウルビス/ジョン・ブラウンジョン
原作 アルトゥーロ・ペレス=レベルテ
上映時間 133分
出演
ジョニー・デップ
エマニュエル・セニエ
レナ・オリン

だいたいのあらすじ

上流階級風の身なりの良い老人(ウィリー・ホルト)が立派な書斎で何やら手紙をしたためた後にシャンデリアに架けたロープで首吊り自殺をしていました。

稀覯本の鑑定・売買を生業とするディーン・コルソ(ジョニー・デップ)は脳性まひした老人の息子夫婦に鑑定依頼をされ、希少本のドン・キホーテを安値で買い叩いて横流ししていました。
彼はこの業界ではハイエナと呼ばれて評判が悪いのですが、本人は「騙される方が悪い」的に意にも介していませんでした。
ある日、コルソはバルカン出版のオーナーで悪魔学の本を収集しているボリス・バルカン(フランク・ランジェラ)に呼び出され、彼の会社に赴きました。

バルカンは「影の王国への九つの扉」という世界に三冊しか存在しないという稀覯本をコルソに見せ、この本の本物は一冊しか存在せず、残りの二冊は偽物だと言うのです。
この本は悪魔を呼び出す方法が書かれているそうで、バルカンは冒頭の紳士・テルファーが自殺する前日に譲り受けたということでした。
バルカンの依頼は「影の王国への九つの扉」の三冊を見比べ、本物を捜し出して入手して欲しいというものでした。
多額の報酬だったのでバルカンから本を預かり、コルソはこの仕事を請け負うことにしました。

翌日、テルファーの未亡人・リアナ(レナ・オリン)を訪ねて本を見せると、彼女は夫が本を売却した事は知りませんでした。
この本はスペインで入手したそうで、自殺する数日前からテルファーの様子はおかしかったそうですが、彼は特にオカルトに傾倒したりはしていなかったそうです。
また、コルソの周りには神出鬼没の謎の女(エマニュエル・セニエ)が現れるようになり、まるで彼を監視してるようでした。
ある夜、コルソが帰宅すると鍵が開いており、家の中は何かを物色したように荒れていました。

翌日、不安を感じたコルソは知り合いの古書店オーナーのバーニー(ジェームズ・ルッソ)に「九つの扉」の本を預けたのですが、その様子を何者かが通りから伺っていました。
その夜、コルソの自宅にリアナが訪ねて来て「本を買い戻したい」と告げて誘惑して来たので二人はHしてしまいました。
超展開です。バーニー書店を見張っていた人物も彼女と同じく喫煙者でした。
彼女のお尻には蛇の刺青があり、事が終わるとコルソのバッグを漁った後に「何処にあるのよ!」と襲い掛かって来ました。
コルソはリアナに殴られ、気絶してしまいました。

息を吹き替えたコルソは「この国に居たら殺される!」と早々に他二冊の「九つの扉」があるというヨーロッパに旅立つことに、バーニーの書店に立ち寄り、本を回収しようとします。
しかしバーニーは電気のコードで片脚を吊られた状態で殺害されており、コルソはバーニーの秘密の本の隠し場所から「九つの扉」を回収して空港へと向かいました。
道中でバルカンに「このヤマはヤバ過ぎるから降りる」と電話で連絡したのですが、「報酬の桁を釣り上げるから何としても頼む」と言われ、一方的に切られました。
仕方なく機上の人となったコルソが本を確認していると逆さ吊りにされていたバーニーの状況にそっくりな挿絵を発見しました。

コルソはまずはスペインで古書店を営み、テルファーに「九つの扉」を売った双子のセニサ兄弟(ホセ・ロペス・ロデロ)を訪ねました。
セニサによると本を欲しがっていたのはリアナであり、テルファーは代金を支払っただけだそうです。
稀覯本の贋作は可能だそうですが、当時のインクや紙を再現するのには相当なコストが掛かるそうで、この本が贋作だとすれば相当な匠の技が必要になるそうです。
また、この本の挿絵には一つ一つ意味があるそうで、一部にはルシファーが描いた版画が含まれているということでした。

コルソはセニサの店からの帰り道に放置してあった建築足場が丸ごと崩れて来るというアクシデントに巻き込まれそうになったのですが、素早く駆け抜けたので無事でした。
移動中の寝台列車でまたあの謎の女に遭遇したコルソでしたが、「前に会ったよね」と話し掛けても「そうだっけ?」と煙に撒かれてしまいました。

翌日、コルソはポルトガルの廃墟のような大邸宅に住むファルガス(ジャック・テイラー)を訪ねました。
屋敷の中は外観とは異なり、簡素で整然としており、数少なくなったという蔵書が床に並べられていました。
その中に「九つの扉」があり、コルソがバルカンの本と見比べたいと申し出るとファルガスは「危険な本だからあまり開かない方がいい」と言いつつ了承してくれました。
比較した結果、9つの挿絵の一部に間違い捜しのような「道具を持っている手が違う」等の差異があると判明しました。
版画には「LCF」,「AT」という署名があり、作者によって微妙に異なるようでした。

ファルガスの屋敷からの帰り道、コルソは車に幅寄せされて倒れ、車からは怪しげな人物が降りて接近して来たのですが、後続のバイクに乗った人物が現れると逃げるように去り、バイクもそれを追い掛けて行きました。
その後、ホテルのバーで飲んでいたコルソはまたまた謎の女に遭遇したので、尻尾を掴まえてやろうと話し掛けたのですが、バルカンの電話に邪魔されました。
バルカンはコルソから挿絵の件を聞き、「何としてでもその本を手に入れろ」と指示して電話を切りました。

翌日のまだ暗い早朝に謎の女がコルソの部屋をノックし、「ファルガスの所に行くから準備して」と指示します。
やはり昨日のバイクの人物は彼女だったようで、コルソは彼女の後ろに乗ってファルガスの屋敷に向かいました。
服装からするとバーニーの店を見張っていたのも彼女だったようです。
ファルガスは本は死んでも売らないと話していたのですが、屋敷の庭にある池で溺死して浮かんでいました。
コルソは謎の女の協力で屋敷内に侵入したのですが、本は暖炉にくべられ、二分の一程度が消失していましたが、版画だけ持ち去られていました。
謎の女はコルソには一切情報を与えないまま「次はパリね」と同行して来ました。

フランスに入国すると空港で謎の女の姿は消え、コルソは三冊目の本を所持するパリのケスラー男爵夫人(バーバラ・ジェフォード)を訪ねました。
ケスラーはケスラー財団という団体のリーダーでビルの一室に立派な書斎を持ち、多忙らしくコルソの面会時間は30分でした。
ケスラーはコルソの悪評を承知しているそうで、現在は悪魔の伝記を執筆しているそうです。
彼女は悪魔学の研究者で「九つの扉」の作者トルキアの伝記を書いた事があり、これはバルカンも言われていた事ですが、トルキアは「デロメラニコン」という伝説の悪魔書を読み、この本に書き直したのだそうです。
カメラみたいな名前ですね。

また、何世紀にも渡って「九つの扉」を朗読して悪魔を称えている魔女集団「銀の蛇」という人達がいるそうです。
とは言っても現在では金持ちがハメを外すための集まりだそうで、ケスラーもかつては所属していたのだそうです。
銀の蛇の集会は毎年トルキアの命日に行われており、朗読にはリアナの本を使っていたらしく、トルキアの命日はもうじきでした。
コルソは自分が来た目的を説明したのですが、本は見せない、バルカンが自分で来ればいいと断られ、追い出されました。

仕方なく引き下がったコルソでしたが、ビルを出た所でまたまたならず者っぽい男が尾行して来たので、カフェでビールを呑んで時間を潰します。
カフェを出るとコルソはやっぱり男に襲われてしまい、バッグを奪われそうになるのですが、謎の女が空中浮遊をして現れ、男を格闘技で撃退しました。
彼女と一緒にホテルに戻ったコルソは、先ほどの襲撃はリアナの仕業だと睨み、馴染みのフロントにリアナの調査依頼をしました。

部屋に戻るとまたバルカンから電話があったので現在の状況を説明したのですが、「昼休みを狙ってケスラーに会え」と言われて切られました。
そしてフロントで版画のコピーを取ってコルソが部屋に戻ると、謎の女は消えていました。

翌日、ビルから秘書が出て来たのを見計らい、コルソはケスラーに接触しました。
眼鏡が壊されたので新調してます。
強硬な態度のケスラーでしたが、版画の件を話すと興味を示し、コルソの持参したコピーと彼女の本を見比べる事になりました。
差異があったので目から鱗のケスラーはコルソに本を調べる事を許可し、コルソは三つの本を揃えると「LCF」の署名の版画が9枚揃うという事に気付きました。

コルソは何者かに殴られて気絶し、息を吹き返すとケスラーは絞殺されており、自走式の車椅子で暖炉に突っ込んで炎上しました。
「九つの門」はまたまた暖炉にくべられており、コルソは本を回収して逃げましたが、その際に秘書とぶつかりました。
そしてコルソがホテルに戻ると、冷蔵庫の裏に隠してあった本も奪われていました。
フロントに問い合わせると「奥様が部屋に入った」と言われてしまいました。
直後にバルカンから電話があり、状況を説明すると「他二冊が消えたなら任務完了。リッツに居るから、30分後に本持って報酬受け取りに来い」と指示されました。
仕方なくコルソが「本盗られた」と正直に告白すると、「取り返さないとどうなるか分かってるな」と脅されて電話を切られました。

感想

これは普通です。
三冊の本を見比べてと依頼された本を捜してたら死者続出という内容です。
大体のあらすじは理解できたのですが、色々と良く分からないことが多い話でした。
ただ本の持ち主が死ぬ→本ゲットというパターンなのでちょっと飽きるかも。

オカルト系の話なのですが、描写は凄くコミカルです。
特にコルソは本人はシリアスに決めてるつもりみたいですけど、見ていて笑いがこみ上げて来ます。
なんか背伸びしてる男の子みたいでちょっと可愛いですね。
そうは言っても彼は優秀で、間違い探しは得意です。
ケスラーが「何が違うって言うのさ」とコルソと間違い探し合戦していた時はウケました。

謎の女との絡みもなんだか楽しそうです。
色んな映画で神チームと悪魔チームの戦いがありますが、この映画に限っては悪魔チームの方が楽しそうです。
他作でもそうなのですが、神チームって制約が多い割りに実りが少ないですよね。
私、悪事をさせられないなら悪魔チームに入るかも。
でもこの映画だと、軽く狂ってないと入れないみたいですね。

この監督はローズマリーの赤ちゃんがあるんですが、悪魔教団のイメージが当時とあまり変わってないのがウケました。
あっちの方がキチ○イ多かったので、今作でももう少し頑張って欲しかったです。
最強クラスでリアムだとちょっと寂しいです。
謎の女は早めに人間ではないと気付くので、それほど驚かなかったのですが、結末は良く分かりませんでした。

面白いことは面白いのですが、コルソファンの人のための映画ではないかと感じられました。

ラストまでのあらすじ

そこに謎の女が現れたのですが、犯人はリアナだったようで、フロントから情報を得たコルソは彼女のホテルに向かいます。
リアムは既にチェックアウトしており、車で去ったので、コルソ達は謎の女が盗んだスポーツカーで後を追います。
車は見失ったものの、リアムの地元らしい城を発見したのでそこに乗り込む事にしました。
城に忍び込みリアムの部屋を発見して本を取り返したコルソ達でしたが、リアムが手下を呼び、銃を突きつけたので捕まってしまいました。

コルソは階下へ連行される最中に隙を見て手下を投げ飛ばし、嫌と言うほど殴りつけて倒しました。
そしてコルソは会場の連中と同じ魔女の扮装をして朗読会の会場に潜入し、謎の女には援護を依頼しました。
そこにコルソから知らせを受けていたバルカンが乗り込んで来て「あのお方の力を知りながら、下らん乱交パーティーか!」と吐き捨ててステージに向かい、リアムを糾弾して首を絞め始めました。
バルカンは悪魔ガチ勢だったようです。
コルソはバルカンを止めようと飛び掛かったのですが、悪魔パワーなの簡単にぶっ飛ばされてしまいました。

バルカンはリアムを絞殺して本を奪って去り、謎の女は「バルカンに他の殺人の嫌疑が掛かる」という理由でコルソを止めました。
謎の女は「殺人もバルカンの所為になったし、任務も終わったでしょ」と言うのですが、コルソはどうしても本の謎を解きたくなり、バルカンの後を追うことにしました。
イマイチ謎の女が信用できなくなったコルソは一人で車に乗ってバルカンを追跡します。
しかしコルソの車は小川にハマりバリカンを見失ってしまいました。

町に戻り、ケスラー本に挟まっていたバルカンの絵葉書からある城の場所を特定したコルソはヒッチハイクを重ねて田舎にあるその城に向かいました。
城に乗り込むとバルカンが九つの扉の本の挿絵を揃え、ご満悦でした。
そこにコルソが乗り込み、銃を突きつけて本を奪おうとしたのですが、床下の割目にハマって蹴りこまれてしまいました。

バルカンは「君はそこで見物していたまえ」と言い、並べた挿絵の前で祈りを捧げ、自身の周りに円形に撒いていた燃料に点火しました。
すると彼には超能力が備わったようで、炎の上に手をかざしても平気でした。
今度は燃料を被って火だるまになり、「何も感じない」とのたまっていたのですが、突然苦しみ始めました。
コルソは割れ目から脱出し、挿絵を回収してのたうち回っているバルカンを射殺しました。

コルソはバルカンの車に乗り込んで引き揚げようとしたのですが、助手席には謎の女がおり、眼力で誘惑されたコルソはそのまま女と屋外セックスしてしまいました。
その後、移動を始めたコルソが「バルカン何で失敗したの?」と女に聞くと「最後の版画が偽物だから」と返答されました。
そしてコルソがスタンドで給油している間に謎の女は版画に「セニサ兄弟」という伝言を残して消えました。

ということで再びスペインのセニサ兄弟を訪ねたコルソでしたが、店にいたセニサ兄弟は別人で、英語も喋れませんでした。
本物のセニサ兄弟は棚を倒していたのですが、棚の上からはバルカンの居た城から後光が差しているような版画が落ちて来ました。
コルソは再びあの城を訪ね、城の後光の中に包まれて行きました。

エンドロールで終了です。

コルソは九つの扉を開けられたようです。
謎の女がゲームをしていて扉を開ける人間を選んでいたということで良いのでしょうか?
イマイチ良く分かりませんでした。
一連の事件を起こしていたのはバルカンで、恐らく女も加担していたようですが、コルソに鞍替えしたと見ています。
女の正体は悪魔なのではないかと思いました。
特典は色々入ってまして、ゲームも入ってました。やりませんでしたが。

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