化け猫出ないんです 怪猫五十三次

怪猫五十三次

茶碗運んでたらひどい目に遭う話

制作年 1956年
制作国 日本
監督 加戸敏
脚本 八尋不二
上映時間 87分
出演
勝新太郎
三田登喜子
林成年

だいたいのあらすじ

岡崎藩主が三河守を任ぜられたので配下の者を呼び出し、返礼に茶碗を将軍家に献上しようということになり、家老の鳴海十兵衛の娘・浪路(三田登喜子)とその婚約者・南三次郎(勝新太郎)が茶碗を運ぶことになりました。
その席で藩主は大高伝蔵(市川小太夫)に年貢を横領した罪で自宅謹慎を申しつけました。
伝蔵が横領していたのは事実なのですが、十兵衛がチクったと逆恨みし、配下の小平太に藤波(入江たか子)という局と協力して三次郎を斬るように命じました。

鳴海家に藤波が茶碗を届けに来たので浪路は可愛がっている黒猫・スズに別れを告げ、三次郎と共に往復一月の江戸の旅に出発する準備を始めます。
尚、今回の旅には藤波も添え役として同行するそうです。
その夜、鳴海家には茶碗を狙って曲者が忍び込んでいたのですが、スズがニャーニャー鳴いて曲者を追い払っていました。
スズ有能です。

翌朝、出発となったのですが、藤波は4人も護衛を付けた上に腰元・文江(浜世津子)と駕籠二台を持参して現れました。
スズは出発を邪魔するように藤波の駕籠に乗り込んで鳴いていました。
こうして小さな大名行列のように物々しく一行は東海道へと進みました。
その夜、本陣に宿を取った一行でしたが、浪路にはお春(若松和子)という女性が面会に来て番頭に丁重に追い帰されていました。
また、小平太は「さっさと三次郎を斬ろう」と急いていたのですが、藤波がまだ早いと制止していました。
藤波は顔を隠して浪路の寝所に忍び込み、茶碗を奪おうとしたのですが、目を覚ました浪路に阻まれました。

翌日、一行は歩を進めたのですが、到着した宿場では宿が取れず、次の宿場の本陣を目指して夜通し歩くことになりました。
川を渡る所で船頭に化けた小平太により浪路は小舟に乗せられて藤波と文江に刺殺され、三次郎は護衛の四人組と小平太に襲われて斬られました。
藤波一味は茶碗を隠し、「三次郎は勤務中に酒を呑んで曲者に茶碗を盗られて討ち死に。浪路は自害」と嘘の報告をしました。
鳴海家の信用はガタ落ちで、伝蔵が鳴海家に口を利かせ、茶碗を捜索し江戸に届ける任に着くことになりました。

浪路のお棺は消えてしまい、スズがそこに現れて藤波一味を威嚇したのですが、小平太に手裏剣で殺害されました。
また三次郎は実は生きており、松造(林成年)に助けられて看病されていました。
一方、文江は浪路の亡霊に悩まされるようになり、暇が欲しいと藤波に訴えて故郷に帰ることになります。
藤波の部下田辺に送られたのですが、道中でさらし首の中に浪路の亡霊を見てしまい文江は怯えます。
「首が首が」と怯える文江に田辺は首がどうした?と聞き返すのですが、文江は波路に変わり「こんな首だよ」と答えたので、田辺に斬られてしまいました。

田辺はその帰り道に三次郎に「茶碗は何処だ」と問い詰められて逃げ出し、藤波達にその旨を報告しましたが、藤波は「浪路も亡霊になる位だから三次郎も化けて出たのだろう」と笑い飛ばしていました。
翌日、藤波一行は伝蔵に茶碗を渡そうと岡崎に戻っていました。
実は春は松造の妹で、藤波達の行列に「この先川止めで宿が使えません」とデマを吹き込みました。
そして宿を聞かれた松造は藤波一味を水車小屋に案内しました。

感想

これは普通です。モノクロ映画です。
悪い男に騙された男達が仇討ちをするという話です。
つまらなくは無いのですが、邦画だというのにタイトルに偽りありだと思います。
ちょっぴり猫は出てくるのですが、化け猫は出ないという。
ホラーというよりチャンバラ映画のような感じです。
藤波の人はよく化け猫役やってるみたいなので、この人が化け猫なのかと思ったのですが、単なるいつも煙管をふかしている悪いおばさんでした。

浪路の幽霊は不気味ではありますが、そんなに怖くないです。
アップになると髪の毛が陰毛みたいに縮れてます。
猫のスズちゃんは大した事しなくて、むしろ生きてる時の方が忍者追っ払ったりして凄かったです。

三次郎は剣術の達人らしいのですが、演者が演者だけに出鱈目に刀を振り回しているようにしか見えませんでした。
松造が強いのにはビックリしました。
岡崎藩なので、恐らく本多家ではないかと思われるのですが、家臣の層がこんなに薄くて大丈夫なのかと心配になります。

ラストまでのあらすじ

その夜、藤波は波路の亡霊に襲われ、祟り殺されてしまいました。
また、一味の林は黒猫の亡霊を見て怯え、故郷に帰りたいと言い出したので、小平太は林を送る振りをして斬り捨てました。
その後、宿場で伝蔵と落ち合った小平太は芸者遊びをすることにし、春も座敷に呼ばれました。
田辺は春をレイプしようとしたのですが、浪路の亡霊に惑わされて宿屋の二階から落ち、そのまま死亡しました。

翌日、伝蔵は小平太を伴い、茶碗を三河守に届けたのですが「偽物だ。この痴れ者め!」と一喝されます。
実は本物の茶碗は三次郎達が奪還し、既に浪路の双子の妹小浪の手で届けられていました。
ということで殿中でいきなり、波路の仇討ちが始まってしまいました。
小浪と浪路の弟が伝蔵達に斬り掛かり、家臣団に囲まれたので伝蔵達は一時退却します。

伝蔵達は屋敷に戻り、秘密の蔵から横領した金銀を持ち逃げしようとしていたのですが、そこに三次郎と松造が現れて二人に斬り掛かります。
伝蔵の部下も大勢現れての大立ち回りとなりました。
松造異常に強いです。この人本当に漁師なんでしょうか。
多勢に無勢でピンチになった三次郎達でしたが、城からの応援が到着して乱戦になります。

小平太は松造が投げた槍に腹を貫かれ、小浪姉弟に斬られて死亡しました。
伝蔵も三次郎と小浪弟に斬られ、小浪に止めを刺されて死亡し、小浪姉弟は本懐を遂げました。

こうして平和が戻ったので、三次郎達は波路とスズの墓に参るのでした。

終マークで終了です。

怪描ってなんだったんでしょうか?

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