悪魔の追跡
バカンスに出たらひどい目に遭う話
制作年 | 1975年 |
制作国 | アメリカ |
監督 | ジャック・スターレット |
脚本 | リー・フロスト/ウェズ・ビショップ |
上映時間 | 88分 |
出演 |
ピーター・フォンダ |
ウォーレン・オーツ |
ロレッタ・スウィット |
だいたいのあらすじ
バイクの修理工場を営むレース大好き野郎のロジャー(ピーター・フォンダ)と共同経営者のフランク(ウォーレン・オーツ)は憧れのキャンピングカーを購入しました。
休暇を取ったロジャー達はそれぞれの妻・ケリー(ララ・パーカー)とアリス(ロレッタ・スウィット)を伴い、コロラドへと自動車旅行に出発しました。
走行中の車内でフランクが皆に室内装備を説明するシーンがあるんですが、自動操縦でしょうか?
暫くドライブした一行は渓流の絶景スポットを探し当て、そこに滞在することになりました。
男どもはその辺でバイクレースを始めたのですが、ロジャーの飼い犬ジンジャーはここに来て以来、やたらと唸っていました。
深夜になり、車の外で呑んでいたロジャー達は向こう岸で焚火が始まったのに気付いて興味を持ち、近づいて双眼鏡で観察を始めます。
どうやら黒いローブを着た連中が焚火を囲んで何かしているようなのですが、その内に連中は火の回りを激しく回って踊り出し、女性はスッポンポンになっていました。
続けて見ていると仮面を被ったリーダー格の男が皆に抱え上げられた若い女性の心臓をナイフで突いて殺害していました。
フランク達は離れて見ていたので知りませんでしたが、連中は魔女のサバトのような儀式を行っていたのです。
その時、アリスがロジャーを呼びに出て来たので、連中に声を聞かれてしまい、存在を悟られました。
信者たちは一斉に車に迫って来たので、フランク達は急いで車に飛び乗り、とんずらしました。
ロジャーはアリス達に殺人を目撃したと告げ、来たときと同じように車で川の浅瀬を渡ろうとした所、穴にハマって動けなくなりました。
男二人は急いで車の外に飛び出し、押したり車輪の下に木を噛ませたりして何とかピンチを脱します。
しかし上り坂をノロノロ登っている間に信者達が追いついて来て車のガラスを割ったりと攻撃をしてきました。
これ怖いですね。
危うく侵入を許しそうになるのですが、何とかモップやバールで車にしがみ付いて来る信者達を振り落としました。
早速警察に駆け込んだロジャー達は保安官のテイラー(R・G・アームストロング)に報告しました。
早速、テイラーを現場まで案内することになり、ロジャーとフランクがパトカーに便乗して現場に向かいました。
しかし確固たる証拠は見つからず、テイラーは君たち酔ってたんでしょ的に片付けます。
その頃、ケリー達は窓に「沈黙を守らぬ者に警告を」という窓に貼られた脅迫状のような物を発見し、書かれたルーン文字を解読しようと図書館で本をネコババしていました。
テイラーから「こっちで調べるから、旅行を楽しんでね」的にテキトーに追い払われたので、ロジャー達はひとまず、町外れにある工場で車を修理してもらうことにしました。
後部ガラスはサイズが合うものが無かったので、ベニヤと他の車の窓を張り合わせた物で賄ってもらいました。
ロジャーはテイラー達が現場を既に知っていたようだったりと信用できなかったので、血痕を独自に採取しており、それを他の警察にも提出するつもりだと話していました。
その後、一行はアマリロに向けて出発しました。
道中でにぎやかなキャンプ場に到着すると沢山のキャンピングカーと家族で賑わっており、安心したケリー達はキャンプ場のプールで泳ぐことにしました。
しかしケリーは見知らぬ人達が自分達を監視しているような気がして落ち着かず、直ぐに上がりました。
ケリーは怖いから帰りたりとロジャーに訴えたのですが、フランクは引き揚げるつもりはありませんでした。
車には隣のヘンダーソン夫婦が図々しく乗り込んで来て挨拶し、あちこちを見始めました。
何だか自分達の車の自慢をしたり嫌な夫妻だったので、早々にお引き取り願いたい所でしたが、強引に食事に誘われたので付き合うことになります。
レストランで例の連中の話をしたフランクでしたが、ヘンダーソン夫妻はそんなの居るわけないじゃんと笑い飛ばします。
その後、酔っ払い連中の喧嘩が始まったのでロジャー達は早々にお暇することにしましたが、ヘンダーソンは居残り、喧嘩を楽しそうに眺めていました。
そして車に戻ったのですが、ドアがこじ開けられ、ジンジャーの死骸がドアの所に吊られていました。
周囲には他の家族が集まって来たのですが、皆無表情でこちらを見ており、嫌になったロジャー達は直ぐ出発することにしました。
アリスが珈琲を入れようと戸棚を開けると中からガラガラ蛇が飛び出して来ました。
車の中は大騒ぎになり、注意力散漫になったフランクは道端の木に車ぶつけてしまいました。
感想
これは普通です。
郊外でヤバい儀式を目撃して大変!という内容です。
正直ツッコミどころは満載で、悪魔教団の規模とか層の厚さはどうなのよという気がします。
何百キロも追い掛けてないでさっさと殺せばいいのに…とも思いました。
なのですが、この映画はやましいことしてた連中を目撃したら殺されそうという理不尽な内容なので、許してあげようという気になります。
でも図書館の本を盗むのはどうかと思いました。
しかもその本がイマイチ役に立ってないのが悲しいです。
話の内容は現在では珍しくもない題材なので、つまらなそうな気がするのですが、意外に面白かったです。
やはり理不尽効果が働いているのか、悪魔チームの人達もなかなか不気味に見えます。
あの連中は一体何のためにあんな事をしているのでしょうね。
町が栄えたりするのでしょうか?
全体的には地味な映画で、オカルト描写が怖い訳でも無かったです。
カーチェイスありますが、やっぱり古い映画なので地味です。
ジンジャーが吊られるシーンは内容的には辛いのですが、映像はモップみたいのがぶら下がってるだけだったりします。
じゃあどこが良かったんだろうと言われるとやはり理不尽気の毒効果でしょうか。
よく考えてみるとそれだけで引っ張ってる気がします、この映画。
もしかしたら自分もこうなっちゃうかも?という点が怖いのでしょうね。
キャンピングカー持ってないけどね!
奥さん二名は殆どお飾り程度で、女性の観客も呼びたいから入れてみましたという感じです。
そういうわけでロジャーとフランクの映画だと思われ、男の映画なのでしょう。
意外と楽しめたので、暇つぶしにはなると思いました。
ラストまでのあらすじ
どうにかこうにか蛇は叩き出し、他にも何か仕掛けられていないか調べることにしました。
どうやら他は安全のようだったので、フランクは車を出すことにしたのですが、先ほどの事故の所為かエンジンが駆かりませんでした。
もう夜だったので外は危険と判断し、ひとまず車で一泊することにしました。
翌朝、ロジャーはその辺の地面にジンジャーの死骸を埋め、フランクはエンジンの修理を行いました。
更に後部を確認してみると積んでいたバイクが滅茶苦茶に壊されていました。
道中で立ち寄った店でフランクは護身用にショットガンを買い、ロジャーは通報しようとしたのですが、電話は故障中でした。
その後立ち寄ったスタンドで給油したのですが、そこでも電話は不通でした。
一行は次なる町フィッシャーに向かっていたのですが、突然前を走っていたトラックが急ブレーキを掛け、それを合図に後ろからレッカー車がタックルして来ました。
トラックは誘うように横を開けたので運転していたロジャーは追い越そうとするのですが、その前にも赤い小型トラックが走っており、抜けられませんでした。
こうして背後と側面から激しいタックルを受け、車は壊れ初めてヤバいことになります。
ロジャーは仕方なく前を走っていた赤い小型トラックに車をぶつけて押し出し、ロジャーがショットガンを撃って大物のトラックは停めました。
しかし戻って来た赤いトラックと後方のレッカー車の追撃は止まず、チェイスは続きます。
その内にレッカー車は対向車と激突して自爆したので、ロジャーは赤いトラックを橋の所で押し出して落としました。
なんとか凌いだものの、キャンピングカーの前部は半分が剥がれてしまい、悲惨な事になります。
フランクが運転を代わり出発すると今度はスクールバスの事故現場に遭遇しました。
仕方なく徐行したのですが、日曜日にスクールバスは怪しいと勘付いたフランクがスピードアップすると案の定トラックが追い掛けて来て車に数名がしがみ付いて来ました。
どうやらあの町の連中はカルト教団だったらしく修理工もその中に混じっており、ロジャーは後部でガラスを割った男をショットガンで射殺しました。
今度は上に乗った男がガソリンを撒き始めたので、ロジャーは車の屋根に向かい、男をトンネルにぶつけて降ろしました。
その後もしつこく三台の車が追い掛けて来て、とうとう敵も発砲して来ました。
ロジャーは屋根男が残して行ったガソリンを投げて爆発させて一台を潰し、後部のバイクを落としてもう一台を潰しました。
しつこく追って来たもう一台はショットガンを連射して潰し、横転させました。
暫く進むと道路工事をしていたのですが、今度は公共事業のようで安心で、アマリロは130㎞先のようです。
キャンピングカーはヘッドライトが壊れていたので夜間走行は無理だったので、ひとまず付近の開けた場所で野営することにしました。
ロジャーは皆を励まそうとカクテルを作って盛り上げ、一休みとなったのですが、車の周りにはガソリンが撒かれていたらしく炎が丸くキャンピングカーを囲みます。
そしてゾロゾロと黒ローブを着た信者達が集まって来ました。
炎の円に囲まれたキャンピングカーの俯瞰映像で映画は終わります。
エンドロールで終了です。
ツッコミどころは多い作品なのですが、この最後のガソリンは誰が撒いたんでしょうか。
全く救いようのない映画で、エンディングテーマも風の音です。