どうしてこうなった 降霊

降霊 KOUREI

終わらない悪夢。

制作年 1999年
制作国 日本
監督 黒沢清
脚本 黒沢清/大石哲也
原作 マーク・マクシェーン
上映時間 97分
出演
役所広司
風吹ジュン
石田ひかり

だいたいのあらすじ

心理学者の卵・早坂(草なぎ剛)はオカルトに傾倒しており、北見教授(岸部一徳)から心理学から逸脱し過ぎと釘を刺されていました。
早坂は学校の教会に佐藤純子(風吹ジュン)を呼び出していたのですが、彼女には廊下を歩き回る影や教会の隅に佇む影といった人には見えないものが見えるようでした。
なんかこのシーン怖いです。

早坂は純子を呼び出して降霊実験を行おうとしていたのですが、教会に行き、「今日の実験は中止になりました」と純子に謝罪しました。
純子は早坂から手鏡を預かっていたのですが、それは彼の祖母のもので、彼女は祖母の死と死因が自殺だった件をぼんやりと当てていました。
早坂から「なぜ霊はおぼろげなのでしょう?」と質問された純子は「向こうの都合は私にも分かりません」と返答しました。

純子の夫・克彦(役所広司)は映像素材用の音声の管理や編集を行う仕事をしていました。
克彦が帰宅すると純子は金沢智子(石田ひかり)から「死んだ彼から電波を受信するんです!」と相談を受け、「心の問題」と答えていました。
智子は自分が再婚したら前の彼がどう感じるのかを気にしているようだったので、降霊術を行うことにしました。
尚、克彦はそういうことには慣れているようで来客の邪魔をしないようにしつつ、お菓子やピザを食べて適当に過ごしていました。
降霊術が終わり、智子が引き揚げたので佐藤夫妻は一緒に夕食を採り、日常会話をします。
その後、純子はファミレスでバイトしようかな?と切り出し、克彦は嬉しそうに同意していました。

ある日、公園で遊んでいた少女に怪しげな男が「君のママが倒れて病院に運ばれた」と声を掛け、案内する振りをして車で拉致していました。
さて、ファミレスでバイトすることになった純子でしたが、横柄なビジネスマン風の客(大杉漣)の隣の席に暗い顔をした赤い服の女を目撃してしまったりして色々と大変なようです。
彼女が休憩していると背後に赤い服の女が現れたりしたのですが、女は先ほどの客が会計を済ませると、その後を追い掛けて行きました。
一方、克彦は家で編集していたテープに人の声のようなものが入っているとディレクターに指摘され、「トラックの無線ですね。すぐ消します」と返答していました。

帰宅した克彦は純子とお弁当を食べつつ、明日の午後から何処か行かない?と誘われたのですが、富士山に生音撮りに行くから、ゴメン…と断っていました。
職場の人に木が倒れる音が欲しいと言われてたのです。
克彦は「じゃあ、一緒に富士山行こうか!」と思い付いたのですが、純子は「また今度」と断りました。

翌日、克彦は樹海でひたすら音声を拾っていたのですが、公園で拉致された少女も男に樹海で追われていました。
克彦のバンを発見した少女は付近に置いてあった大きな機材箱の中に隠れました。
そんな事は知らない克彦は録音を終了してバンまで戻ると機材箱を閉めて帰り支度を始めました。
うわー。重さで気付いたりしなったんでしょうか…
一方、純子はファミレスバイトが続かなかったのか、辞職してしまったようで店を出ていました。
彼女は落ち込んだようで、寂しい野原のベンチに座って黄昏ていました。

帰宅した克彦は妻の姿が見当たらないので心配になり、捜しに出たのですが、露店で桃を購入している純子を発見して声を掛けました。
純子は「遅くなってゴメン」と謝罪し、ファミレス辞めちゃったと話したのですが、克彦は気に留めず、夫妻は仲良く帰宅しました。
その夜、克彦は遅くまで本を読んでおり、鈴虫の鳴き声のような不気味な音を聞いたので、機材箱のあるガレージも見に行ったのですが、そのまま気に留めずに寝てしまいました。

翌日、柏原刑事(きたろう)達は少女を拉致した犯人を町中で追い詰めていたのですが、犯人は逃走中に突然崩れて来た足場の下敷きになり、埋もれていました。
一方、専業主婦に戻った純子は家で洗濯物を畳んでいたのですが、家の中に何かの気配を感じたようです。
その直後に電話が鳴り、淳子は早坂から呼び出されて大学へと向かいました。
電話で心臓停まりそうになりました。

純子が大学に到着すると早坂と北見以外に柏原も来ていました。
あの犯人は重症を負って意識不明だそうで、少女の行方が分からないので彼女の所有物から霊視して欲しいという依頼でした。
純子は何かを感じ取ったようでしたが、何も話さず、柏原は収穫が無かったのでガッカリして引き上げます。
早坂はそっとしておいてほしいと訴える純子に少女のハンカチを渡しました。

帰宅した純子は克彦と外食した際に今日の出来事を話し、克彦は「上手く行ったら純子有名になるね」等と呑気な事を言っていました。
克彦は「あわよくば嫁を働かせて主夫になる」とネタにした後、帰り道で「なんかいいこと無いかな」とこぼす純子に「絶対にあるよ」と励ましました。

ある日、純子は無意識に少女のハンカチを拾い上げ、驚いたように跳ね退きました。
家で作業をしていた克彦が心配して声を掛けると「凄く近い」と言って、ガレージに行き、機材箱を指差して克彦に開けさせました。
純子はこういう事をする時にわざわざ黒衣に着替えるみたいです。
克彦は「うわっ!何だこれ!」と驚き、純子は「誘拐された少女だ」と説明しました。
佐藤夫妻は慌てて警察に電話しようとしたのですが、純子は「待って、警察になんて言うの」と克彦の手を押えました。
幸せどころか大きな災いが舞い込んでしまいました。この人達善良な雰囲気なので見ていて可哀想になります。

色々考えた末に克彦は警察に電話しようとしたのですが、その時、死んだと思われていた少女がこちらに這いずって来ました。
克彦は大急ぎで彼女をベッドに運び、吸い口で水を飲ませたりして介抱し、救急車を呼ぼうとしたのですが、純子が待ったを掛けました。
少女を発見したのは純子な訳ですが、彼女には「なぜ少女を発見できたのか?」を人に理解してもらえる術がありませんでした。
言われてみればその通りで、つい克彦目線で見てしまっていました。

少女は間もなく意識を取り戻したのですが、「すぐ家に帰れるから」と話す克彦を見て凄い悲鳴を上げ、仕方なく克彦は少女を押さえつけて寝かしました。
純子に頼めば良かったですね。
困った克彦でしたが、純子は「一日だけ私に時間を頂戴」と言って家を出て行ってしまいました。
その後、純子は廃墟の下見に行った後、早坂を訪ね、「少女は東京付近の廃墟にいるようだ。詳しい場所が分かるまで1日待ってほしい」と知らせました。
早坂は純子の様子を見て「いつになく積極的で面喰いました」と話していました。
これ、なかなかお話も面白いですね。

帰宅した純子はスーパーに物でも買いに行くような調子で克彦に地図を見せ「ここに運びましょう。夜のがいいわね」等と指示しました。
克彦が「顔、見られたけど大丈夫かな?」と返すと、純子は「どうしてそんな事になったのよ。計画がパーじゃない」とキレました。
終いには「どうしてあなたはいつも私の足を引っ張るのよ」と夫を責め、克彦は「なあ、この計画無理だって」と彼女を宥めます。

純子は一度でも脚光を浴びたかったのか「このまま何も無いまま歳を取って終わるのは嫌だ」と嘆き、克彦は彼女の意見を通すことにしました。
超展開です。
佐藤夫妻はじわじわ行く作戦に出たらしく、ひとまず廃墟に少女の靴を投げ、純子が早坂に「場所分かりました。」と知らせました。
そして自宅で昼食を採りながら、「少女を病院の前に寝かせよう」等と話し合っていました。

その時、チャイムが鳴ったので純子が応対すると柏原でした。
柏原は純子が少女の靴のありかを当てた事を疑問視して訪ねて来たようでしたが、純子が霊視の事を説明すると半信半疑という様子ながら今後の協力を依頼してから引き揚げました。
そして帰り際に純子は「少女はきっと近い内に無事に戻るでしょう」と付け加えました。
一方、少女が意識を取り戻して騒いだので、克彦は必死に彼女を押えていました。

感想

これはなかなか面白いです。
夫が誘拐事件に巻き込まれたので、妻がそれを利用して…という内容です。
前半は怖い雰囲気のオカルトホラーちっくなのですが、中頃からサスペンス風になります。
後半になるとブラックコメディ風の展開になるのでそっち系かと思いきや怖い展開もあります。

これ、佐藤夫妻の会話が面白いと思います。
特に純子の発言が面白いのですが、それに対する克彦の「うん…」もなかなか。
善良そうな夫婦が悪の道に堕ちて行く様子も悲しいです。

色んな霊の皆さんが出演されてますが、冒頭の教会での影のシーンが一番怖かったです。
赤い服の霊も座っている姿は怖かったですが、浮遊移動シーンでちょっとがっかりしました。
少女の霊はそんなでも無かったですが、木の下に佇んでるのは怖かったです。

テーマがよく分からない作品でしたが、なかなか怖いです。
私、この辺りの黒沢監督作品は刺さるみたいで、理由は分からないですが怖く感じます。

ラストまでのあらすじ

柏原を見送った純子が上へ行くと取り乱した様子の克彦が「少女は寝ている」と告げました。
深夜、家の付近は雷雨となりましたが、佐藤夫妻は少女を病院の前に連れて行こうと二階に上がりました。
ところが、少女は床に寝そべって死亡していました。
仕方なく佐藤夫妻は少女を何処かの山中に運び、激しい雷雨の中、必死で穴を掘って埋めました。

悪行に疲れて放心していた二人でしたが、朝になったので克彦は普通に仕事に出ました。
純子は「今日だけ一緒に居て」と休むようにお願いしたのですが、「普通の生活に戻ろう」と言われて却下されました。
急に休むと怪しまれたりするので克彦正解だと思います。
仕方なく寝ていた純子の前に少女の亡霊が現れ、彼女を脅かしていました。
帰宅した克彦にその件を話した純子でしたが、克彦は彼女のためにホテルに滞在することにしました。

翌日、喫茶店で食事を採る佐藤夫妻でしたが、霊が見えない筈の克彦は純子の肩に伸びる少女の腕を目撃しました。
一旦、必要な物を取りに帰宅した克彦は庭で洗濯物を取り込んでいると、少女の亡霊が家の中に出たので、彼は棒きれを手に家に飛び込みました。
そして「出て来いコラ!人の荷物に紛れ込んだ自分が悪いんだろ!自業自得だ!」等と怒鳴りつけました。
今度はやっぱ今の無し的に「恨むなら俺を恨め!純子を恨むな!」と叫んでいると少女が現れたので、克彦は棒でボコボコに少女を殴りつけました。

庭に戻って棒をポイし、洗濯物を取り込んでいた克彦は自分の分身が椅子に座っているのを目撃し、灯油をかけて燃やしました。
とうとう克彦は神主(哀川翔)を呼んでお祓いして貰いました。
「これで大丈夫」と言う神主に「なぜそう言い切れる」と克彦が突っ込むと神主は言葉に詰まり、これからどうしたらいいかと聞かれたので、つつましく暮らせば大丈夫等とのたまっていました。
結局、家に戻ることにした佐藤夫妻でしたが、少女は何処に居ても現れるようになりました。

やがて少女の遺体が発見されたのですが、警察では遺体が新しすぎる事を不審に感じていました。
とうとう少女は克彦の職場にも現れるようになり、彼が倉庫でケーブルを物色している際に背後かた近づき、呆気に取られている克彦の腹に手形をペタンと付けて消えました。

克彦が帰宅すると家には早坂と柏原が来ていました。
少女の降霊会を行うことになったそうなのですが、純子は「大丈夫よ」と克彦に微笑みました。
純子は霊が降りた演技をして「土の中に居る…西の方…若いお兄ちゃんが殺した」等と嘘を吐き、柏原にバレてしまいました。
更に純子の手の中には先日、ベッドの下で発見したヘアゴムと同じ物が握られていました。

柏原は「どうしてこれを持っているのか」と純子に詰め寄りました。

エンドロールで終了です。

悪い事はしちゃダメですね。

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